磐田西 芸人いとこが爆勝呼ぶ 4番捕手・草薙皆稀、「宮下草薙」草薙航基の活躍励み

[ 2021年6月22日 10:57 ]

扇の要として野手に指示を送る草薙
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 甲子園出場をかけた第103回全国高校野球選手権静岡大会が7月10日、静岡市の草薙球場ほかで開幕する。「第七世代」と呼ばれる人気お笑い芸人のいとこが、攻守の要となって磐田西を目標の「ベスト8進出」へ押し上げる。草薙皆稀(3年)は先月から4番・捕手としてレギュラーに定着。ハツラツとしたプレーぶりは今やチームに欠かせない。ブレーク中の「宮下草薙」のボケ・ネタ作成担当の草薙航基(29)とは、幼い頃から遊んだ間柄。心から尊敬する「こーきにーに」に負けない頑張りで進撃の風を吹かす。

 幼少の頃、何度も川遊びに連れて行ってもらった。魚取りも教わった。もちろん、現在も付き合いはある。草薙捕手にとって「当時から面倒見が良かった」年の離れたいとこの「こーきにーに」。父親同士が兄弟、今やテレビの世界で大ブレーク中の芸人・草薙を心から尊敬し「表に出るタイプじゃなかったからこそ僕の自慢です」と笑顔でうなずいた。

 自身もラストサマーが近づき、喝采を博している。先月の大型連休以降、控えの立場から好守の要を意味する4番・捕手に定着。きっかけは4月末、山口監督に呼ばれ「練習に対して全力で取り組んでいるように見えない」と指摘を受けたことだ。一生懸命やっているつもりでいたからこそ考えさせられた。

 「つもりじゃ意味がない」

 一から気持ちを入れ直した。ホームルームを終え、グラウンドに入る瞬間に一礼しながら発する「お願いします!!」という声を腹の底から響かせる。扇の要としての声や指示も大きく、ジェスチャーも激しくなった。もちろん、正妻の座を2年生の金原に奪われていた悔しさもあった。それ以上に、指揮官が自分を見捨てず、気に掛けてくれていたことがうれしかった。盗塁阻止率は100%近い。「野球が楽しくなってきました」とリードにもさえを見せ、打線においても広角に長打が打てる打者として頭角を現し出している。

 つかんだ自信は大きい。小学6年時に「芸人になる」と聞いて驚き、17年末の「おもしろ荘」で「ひょっこりはん」らとテレビ初出演したいとこの芸人・草薙の急成長と自らをだぶらせた。負けてはいられない。

 「どんな状況になっても大丈夫。目標はベスト8。みんなと気持ちは一つです」

 ラストサマーまで3週間を切った。心技体で充実し、魂のこもったプレーでこーきにーにの両親の母校(当時は磐田商)でもある磐田西を主導、活気づける。 (小澤 秀人)

 ≪エース寺田は野田クリスタル似!?≫女房役がお笑い芸人のいとこなら、エース右腕もお笑い芸人のそっくりさんだ。寺田知篤(3年)は、昨年M1グランプリ王者「マヂカルラブリー」のボケ担当・野田クリスタルに激似。山口監督が発見者で、当の本人は「あまり実感がないです。強いて上げれば二重と眉毛かな」と苦笑い。肝心のコンディションについては「自分なりには好調」と即答。草薙については「投げやすい。互いに“2年生にバッテリーを取られたくない”と頑張った結果」と胸を張る。

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