センバツ 有観客で3.19開幕 抽選会は3.12から2.23に前倒し 行進曲は昨年と同じ「パプリカ」

[ 2021年1月14日 05:30 ]

19年のセンバツ開会式
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 日本高野連は13日、第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の運営委員会を開き、同大会を有観客で開催する準備を進めると発表した。新型コロナウイルス感染防止対策として抽選会の前倒しや、開会式の全体の入場行進実施なしなどを決定。例年の21世紀枠は3校から4校となる。昨年、春夏連続で中止を余儀なくされた甲子園の3季ぶり復活。令和初開催となるセンバツの出場32校は、29日の選考委員会で決定する。

 球音と歓声が、甲子園に帰ってくる。オンライン会見を行った日本高野連の小倉好正事務局長(62)は、強い決意をにじませた。

 「昨年は全国大会を春夏ともに中止とさせていただいた。その時の思い、今年こそはという思いがある。我々として最大限、準備できるところは準備をさせていただく」

 3季ぶりの甲子園大会開催へ。球児も、応援団も、観客も呼び戻す。入場制限の条件つきながら、有観客での「特別なセンバツ」実施へ。大会運営委は主要なテーマとするさまざまな新型コロナ対策をこの日、打ち出した。

 <1>抽選会の2月23日への前倒し 当初3月12日だった抽選を早め、出場校が余裕を持って移動などの日程決定が可能になるように配慮した。抽選会も基本的にリモート実施。多数が一堂に会するリスクを排除。

 <2>甲子園練習なし 出場校の長期の現地滞在の負担と感染リスク軽減が狙い。近隣校も無用な移動を避けることができる。

 <3>出場校全体の入場行進なし 開会式を簡素化することで大人数が密集するリスクを排除する。全校が参加しないことにより、各出場校は試合当日を軸に移動、滞在の日程を決定することが可能になる。その他、各試合のインターバルは原則30分から40分に拡大し、ベンチの消毒、応援団の入れ替えを慎重に行うことも決まった。

 昨夏はセンバツ出場予定校による「交流試合」が甲子園で行われたが、無観客だった。小倉事務局長はこの日「アルプスでのブラスバンドの応援などについても、今後専門家のアドバイスを受けながら、運営委員会で対応を決めていきたい」と説明。応援団の入場も視野にある。

 春夏の甲子園が中止となった昨年は、多くの球児が涙した。再出発の大会の入場行進曲は、昨年のセンバツと同じFoorinの「パプリカ」。全校による入場行進は行わないが運営委は「前回大会と同じ曲を採用することで、全ての高校野球ファンに“復活”というメッセージを伝えたい」と説明。米津玄師作詞・作曲の同曲は、再スタートに合わせ新たに編曲される。

 感染状況を見極め今後も適宜、対応していく。「今年の方がコロナに対する知見も経験もある。皆さんの力も借りながら、何とか大会をできれば」と小倉事務局長。球児とファンを聖地に迎える春へ、全力を尽くす。

 【経過】

 ▼20年1月24日 センバツ出場32校が決定。

 ▼3月4日 日本高野連が選抜大会運営委員会と臨時理事会を開き、センバツ出場校に無観客実施に向け準備を要請することを決定。

 ▼3月11日 臨時運営委員会で史上初のセンバツ中止が決定。

 ▼4月16日 全国に緊急事態宣言が発令。

 ▼4月26日 全国高等学校体育連盟(全国高体連)が全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止を決定。

 ▼5月20日 夏の甲子園、同地方大会中止を決定。

 ▼6月10日 日本高野連理事会でセンバツ出場予定だった32校を甲子園に招待して対抗試合を行う「交流試合」実施が決定。

 ▼6~8月 全国の都道府県で、それぞれの規定で夏の独自大会を開催。

 ▼8月10日 甲子園でセンバツ出場予定だった32校による交流試合開幕。

 ▼10月9日 日本学生野球協会が11月に開催予定だった明治神宮大会の中止を発表。

 ▼12月11日 センバツ大会に向け全国9地区推薦の21世紀枠候補校が決定。

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