明石商・中森、有終の150キロ完投 「甲子園初完封」果たせず「悔い」…進路明言避ける

[ 2020年8月17日 05:30 ]

2020年甲子園高校野球交流試合   明石商3―2桐生第一 ( 2020年8月16日    甲子園 )

<明石商・桐生第一>9回、無死一、二塁、桐生第一・星野を併殺打に打ち取り、ガッツポーズでほえる明石商・中森(撮影・成瀬 徹) 
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 明石商(兵庫)は桐生第一(群馬)との接戦を制した。プロ注目の151キロ右腕・中森俊介投手(3年)が150キロを計測し9奪三振で5安打2失点(自責1)完投。1年夏から4度目の甲子園で自身初の「聖地完封」は逃したが、勝って高校野球人生を終えた。 試合結果

 3年間の集大成は、少しだけビターな後味が残った。中森は「勝つ」という最低目標はクリアしたが、終盤に球威が衰え2失点。自身に課した「甲子園初完封」は果たせず、最後まで表情が緩むことはなかった。

 「勝って終われたことは良かったんですけど、今日は全体的にあまり良かった球がなかった。たくさん悔いが残りました」

 課題の初回を味方の好守にも助けられ無失点で切り抜けると、3回には飯塚への6球目にこの日最速の150キロを計測した。中盤は変化球もさえ2~6回は一人の走者も許さなかった。

 ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実戦的なスタミナ不足は超高校級右腕でもカバーすることはできず。「下半身の粘りがなくなってきた」7回以降は4安打3四死球と乱れ2点を失ったが「自分のピンチは自分の力で乗り切りたい」とリードを守りきった。狭間善徳監督(56)から「結局はここで完封できない男やった」と期待値が高すぎるゆえの厳しい言葉をもらったが「試合をつくってくれたのは経験があってのこと」と最後はねぎらいの言葉をかけられた。

 物心ついた頃から、右腕の夢がぶれることはない。小学校入学時の新入生紹介冊子の「夢」の欄には「プロ野球選手」とある。技術家庭以外オール「5」の成績を誇った中学3年時には「家族へ思いを届けようプロジェクト」(兵庫県モラロジー協議会主催)の作文で2万6000通の応募の中から21人の一人として特別賞を受賞した。「絶対に甲子園に出て高校を卒業したら、プロ野球選手になって必ず親孝行します」――。盾に入った作文は今も丹波篠山市内の実家の玄関に飾られている。親元を離れて明石商進学を決めていた中森少年にとって、退路を断った決意表明でもあった。

 注目される進路については「完封すれば自信になると思ってマウンドに上がったんですが、まだまだ実力が足りない。今はまだ決めていないです」と明言を避けた。ただ、プロを目指すことに変わりはない。選抜大会に夏の全国選手権も中止になったが、甲子園には1年夏から「フル出場」。有終の美を飾った「世代No・1投手」が次のステージへと進む。(北野 将市)

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