聖光学院 13連覇中82連勝の意地 甲子園に行く磐城へ厳しさを教えた“壮行試合”

[ 2020年8月4日 05:30 ]

福島県大会準々決勝   聖光学院4―2磐城 ( 2020年8月3日    県営あづま )

<聖光学院・磐城>試合に勝利し、スタンドへ走り出す聖光学院ナイン
Photo By スポニチ

 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は3日、全国で100試合が行われた。福島では夏の福島大会13連覇中の聖光学院が甲子園交流試合に出場する磐城を4―2で下し、準決勝に進出した。

 しぶとく食らいつき、左前に落とした。2―2で迎えた7回無死二、三塁。一塁に到達した小林聖(ひじり、3年)は決勝の適時打に大きく息を吐いた。

 「フライになりそうだったのでやってしまったと思ったけど、良いところに落ちてくれた。1点の重みを感じた試合だった。うれしいというよりホッとした気持ちの方が強い」

 1―1の5回にも左前適時打を放つなど2安打2打点。名前に「聖」と入っていることから岡山から聖光学院の門を叩いた2番打者が決めた。

 磐城へのエールを勝利という形で送った。斎藤智也監督は「壮行試合のつもりでやった。ウチが勝って甲子園に送り出したかった。でもすんなり行かせる訳にはいかない。野球の厳しさを教えたかった」と意地を見せた。試合前日のミーティングでも「磐城はおまえらよりも頑張ってるよ」と進学校を称賛。3月にセンバツが中止となっても毅然(きぜん)と振る舞った姿を見習い、斎藤監督はナインに熟語、慣用句などの問題を課すなど、文武両道の心を植え付けた。

 夏の福島大会は戦後最長となる13連覇中で連勝は82に伸びた。14連覇にあと2勝とした小林は「相手がどこだろうと聖光は聖光らしく全力で野球をやるだけ」と静かに闘志を燃やした。(近藤 大暉)

 ◆小林 聖(こばやし・ひじり)2002年(平14)11月20日生まれ、岡山県出身の17歳。第二福田小2年時から二福ファイターズで野球を始めた。福田中の軟式野球部に所属し、聖光学院に進学。家族は両親、兄と弟。趣味は釣り。1メートル73、70キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

2020年8月4日のニュース