代表選考合宿で得た手応えと覚悟…並木秀尊 独協大初のプロとなれるか

[ 2020年6月25日 09:00 ]

ドラフト候補として注目される独協大の並木(2月撮影)
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 高校野球は代替大会や甲子園招待試合が決まる一方、じっと秋のリーグ戦開幕を待っているのが大学野球だ。

 プロや社会人でプレー続行を希望する選手にとってアピールの場は秋のみ一発勝負。振り返ってみれば昨秋の明治神宮大会出場校や、12月に愛媛・松山で行われた大学日本代表選考合宿に招集された選手は結果的に早めにアピールできたと言える。

 特に松山合宿で一躍全国区に名乗りを挙げたのが首都大学リーグ2部に所属する独協大の並木秀尊外野手(4年、市立川口)だ。

 合宿で行われた50メートル走では、“サニブラウンに勝った男”こと中大の五十幡亮汰外野手(4年、佐野日大)ら俊足自慢が居並ぶ中で5秒32をマーク。五十幡の5秒42を上回った。手動計測のため記録は参考ながら、スカウトも多く視察に訪れた球場で存分に快足をアピールした。

 1メートル70、70キロで右投げ右打ちの並木。高校時代に「高3の時、鈴木久幹先生(現・市立川口監督)から“足にスランプはない。絶対上に行けるし、プロに通用する”と言ってもらった」と背中を押された。教師も目指せるとあってスポーツ推薦のない独協大へ進学。文武両道を貫く中合宿で一気に道が開けた。同世代のトッププレーヤーとの対戦や交流に大きな刺激を受け、合宿後「プロへの思いが強くなった。これまで覚悟があまりなかったが、遠い存在が少し近くなってきた。プロになるために頑張ろうと思えた」と手応えをつかんだ。

 代表候補入りには、周囲の後押しも大きかった。独協大の亀田晃広監督は、今回の代表選考合宿に映像資料も加味されることを踏まえ「マネジャーと“並木もいけるよね?ダメもとじゃないよね?”と話して、映像を提出することにしたんです」。上田樹マネジャーが制作した映像が代表首脳陣の目に止まり、大きなステップアップにつながった。

 亀田監督自身は東北福祉大を経て、社会人野球・日本通運でプレー。退社後は一時期、製パン工場でアルバイトしたこともあるという異色の経歴を持つ。「社会人で引退して社業に入って、本当に何もできないことを実感した。大学では、社会に出てしっかり1人前になれる選手を育てたいと思った」と人間教育に心血を注ぐ。

 約170人の大所帯を束ね、合宿中には1人1回スピーチの時間を設けたり、遅刻したらレギュラーでもメンバーから外すなど徹底している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で授業や練習は自粛となる中でも、LINEをつないで「トレーニングリレー」や「9回2死満塁、一打サヨナラの場面を想定してスイング」など様々なテーマでオンライン指導をしているという。

 首都大学リーグは春が中止となり、各校は秋のリーグ戦に照準を定める。並木は独協大初のプロ選手となれるか。注目が集まる。(記者コラム・松井 いつき)

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