大リーグにまた難題 NYなど3州で移動を制限 NBA再開の舞台フロリダも危機的状況

[ 2020年6月25日 09:15 ]

ニューヨークのヤンキー・スタジアム(AP)
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 7月23日か24日の開幕で60試合を行うことで労使双方が合意したばかりの大リーグがまた難題を抱えることになった。24日になってニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットの3州の知事が新型コロナウイルスの感染率が高い州から訪れる人に14日間の自主隔離を義務付けると発表したもので、この“移動制限ルール”は25日の午前零時から適用。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(62)によると、アラバマ、アーカンソー、アリゾナ、フロリダ、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テキサス、ユタ、ワシントンの各州が対象になっており、ニューヨーク市に本拠を置いているヤンキースとメッツの選手たちの中で現在、制限の対象となった州に滞在している選手とスタッフは7月1日のキャンプ集合日に合流できない可能性が出てきた。

 AP通信によれば対象となったのはここ7日間で人口10万人当たり10人以上の感染判明者が出ている州で、違反すると2000ドル(約21万円)から1万ドル(約107万円)の罰金というきびしい処分。オフィスや空港、駅などでの検査も実施される見込みとなっている。フィリーズなどの選手に感染者が出たために各球団はすでにキャンプ地の施設を閉鎖しており、7月以降のチーム練習は本拠地で実施する予定。しかしニューヨーク州の移動制限が7月末まで続いた場合、ニューヨーク市を本拠にしているヤンキースとメッツは、対戦相手(日程は未発表)をホームに迎え入れることができず、いったんロードに遠征した場合には、ニューヨーク州に戻るために14日間の検疫が必要になるだけに今後の動向が注目されるところだ。

 大リーグの場合、カナダ・オンタリオ州のトロントに本拠を置いているブルージェイズのキャンプと試合をどうするのかも未解決。カナダは7月21日まで国内外の不要不急の移動を制限しており、入国した場合には14日間の検疫が必要。しかし大リーグ側はカナダ政府から打診があったにもかかわらず「トロントで試合をする際にはカナダ国民の安全を保障する」としただけで、まだ検疫を含めた具体的な方策については何も伝えておらず、ニューヨーク州への対応同様に具体策の草案と提示が求められている。

 ニューヨーク州はここまで約39万人が感染して3万人以上が死亡。感染が急増した3月には各州から移動による流入を制限されたが、今回はその立場が逆転してしまった。大リーグのレイズとマーリンズが本拠を置いているフロリダ州では24日に5511人の感染が判明。検査数を増やしたことで陽性反応の増加は予想されていたが、下がると見込まれていた陽性率も7%と上昇しており、20日に記録していた最多数(4049人)を一気に1462人も上回った。

 7月30日に同州オーランドでシーズンを再開させることになっているNBAにとっても事態は深刻。22チームによるオーランドでのキャンプは7月9日から始まることになっているが、あまりにも感染判明者が急増しているため、リーグ側も選手会側も対応に苦慮する形となっている。

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2020年6月25日のニュース