阪神・サンズ　いよいよ本領2打席連発「開幕まで取っておきたかったね」

オープン戦   阪神5―4ソフトバンク （ 2020年2月29日    ペイペイD ）

＜ソ・神＞4回1死、ソロを放ったサンズ（左）を迎える矢野監督（撮影・岡田　丈靖）
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　静かなペイペイドームにサンズが立て続けに快音を響かせた。2回先頭の第1打席で左中間スタンドへ「来日1号」を放り込みと、4回1死の第2打席はライナーで左中間テラス席へ。パワーに関しては相棒・ボーアに話題を独占されていた新助っ人が、パンチ力も証明した。

　「ホームランは開幕まで取っておきたかったね（笑）。でも、オープン戦とはいえ、打てて良かったよ」

　実戦5試合目の出場での2打席連発。ここまでの4戦は、日本の投手のボールを見ることにも重点を置き、6打数1安打2四死球と目立たなかった。異国の環境に慣れることから始まった春季キャンプも終了し、いよいよエンジンが回転速度を上げ始めた。

　1打席目は2ボール1ストライクからの、東浜が投じた外角高めの甘いカットボールを逃さなかった。2打席目はカーブ2球で追い込まれたが、3球続いた緩い変化球をジャストミートしてみせた。

　「追い込まれた形になったので、3球目は来た球に反応しようと思っていた。特にカーブを待っていたわけでもないんだ。まだまだ相手チームや投手の情報も少ないので、来た球に反応したよ」

　典型的な長距離砲のボーアとともに来日したこともあり、自らは「僕は本塁打打者じゃないんで」と話す。とはいえ、打点王に輝いた昨季の韓国プロ野球でもリーグ4位の28発を放っている。

　「別にホームランを打たないでおこうとしているわけじゃないよ。力の部分でももちろんアピールできればいい。それだけじゃなく、いろんな要素でいいところを見せたい」

　矢野監督は「（長打力は）もともとあると思っていたんだけど。狙って打ったというよりは対応で打って、相手には嫌なホームラン」と称賛した。満員の甲子園のスタンドに放り込み、大歓声を浴びる日が待ち遠しい。（山添　晴治）

　≪阪神打者の複数本塁打そろい踏みはブリーデン、掛布以来≫サンズ（神）が来日1、2号を連発。阪神新外国人の1試合2本塁打は01年3月7日ロッテ戦でクルーズが4、6回に2打席連続で放って以来19年ぶり。また、この日は大山も1、2号。オープン戦で阪神打者の複数本塁打そろい踏みは77年3月27日南海戦でブリーデン、掛布がともに2本塁打して以来43年ぶりだ。