楽天・三木監督 凡事徹底こそ三木ID野球 恩師ノムさん著書をキャンプ持参
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楽天の三木肇新監督(42)が、スポニチ本紙の単独インタビューに応じた。12球団で最年少の指揮官が掲げるのは「考える野球」。最も影響を受けた指導者には、ヤクルトでの現役時代の恩師で今月11日に急逝した野村克也氏(享年84)を挙げ、息子の野村克則作戦コーチ(46)との二人三脚で7年ぶりの優勝を目指す。(聞き手・重光 晋太郎)
――20日に久米島、金武町と続いたキャンプを打ち上げた。
「天候にも恵まれて大きな故障もなく、ここまで来ている。しっかりと自主トレをやってきてくれたみたいで、キャンプ初日の練習を見てうれしかった。2日目の朝に選手には“ありがとう”と伝えた」
――2軍監督だった昨季との違いは。
「2軍監督の時と大きく何かを変えているわけではない。1軍は人が多いし、選手によって立場も違う。“いいかげん”ではなく、“良い加減”を見つけるために、どう工夫するかを常に考えています」
――「考える野球」を掲げ、キャンプ中に4度の非公開練習でサインプレーの作戦面の練習に時間を割いた。
「選手たちにも伝えたけど、どのチームも日数と時間は平等なので。全体の方向性を示すためにも、チームの練習に時間を割いている。選手たちの意識は変わってきているなと感じている」
――練習中から妥協を許さずに細かく指示を出す「三木流」の練習が印象的だ。
「失敗しちゃダメな場面で失敗しないのがプロ。でも、失敗させようとするのもプロ。しょうがないでは済まない。意識だけではなく、プレーで体現することが大事」
――目指す野球は。
「基本はバッテリーを中心にした守りの野球だけど、いろいろな戦いができるチームにしたい。野球は奥が深い。満足することは絶対にないし、目指すところはまだ先にある」
――三木監督の野球の原点は。
「小学3年生で堺南ボーイズというチームで野球を始めた。そこの監督が父で。めちゃくちゃ厳しい人だった。サインの出し方も見ていましたし。野球の見方を含めて父が土台をつくってくれた」
――プロ入り後に最も影響を受けた指導者は。
「プロになってからは、やっぱりヤクルト時代の野村監督ですね。人生観も含めて、学ぶことの大切さを教わりましたね」
――今月11日に恩師の訃報が届いた。
「ビックリしましたね。実は沖縄にも野村さんの著書を持ち込んで、時間があるときに読んでいて。“野村ノート”も一部抜粋して持ってきた。ヒントを求めて何度も読み返してきたけど、年齢を重ねるごとに同じものなのに感じ方が違う。僕の宝物です」
――野村監督が求めていたこととは。
「“考えること”ですね。選手が根拠を持って取り組んでいないと、めちゃくちゃ怒っていた。考えればヒントが出てくるけど、考えるためには材料も必要になる。人を見てまねしたり、盗むことも大事」
――同期入団の野村克則1軍作戦コーチとともに戦う。
「克則コーチは野村さんの遺伝子を引き継いでいて、全幅の信頼を置いている。空から見てくれていると思うので、秋にいい報告ができれば」
――オフは大型補強に成功し、7年ぶりの優勝に期待がかかる。
「プレッシャーしかないですよ。だけど、どうやって重圧を力に変えていけるか。引き受けた以上は、相当な覚悟を持って立ち向かっていく」
――これからオープン戦が本格化する。
「選手には大いに競争してほしい。あとは“凡事徹底”。キャンプ中にやっていたことをおろそかにしないように。1軍の枠もあるので、僕もその選手がチームにとって本当に必要かを判断をしていかなければいけない。ぬるい考えでやっていれば、ぬるい結果しか出ない」
――42歳。12球団で最年少監督となる。
「勝負の世界。そんなに簡単に勝てる世界ではないけど、勝てる可能性だってある。今まで選手やコーチ時代に多くの監督さんから教えていただいたことをベースにして、信念を持って自分という監督像をつくり上げたい」
――理想のチームは。
「イーグルスはみんな本当に仲がいい。チームワークがいいことは最大の強みだけど、時にそれが隙になるかもしれない。こちらから話をしたり、彼らの話を聞く時間もつくっている。イーグルスの伝統や良さは絶対に残さなければいけない。過去15年間の歴史を背負って戦っていく」
◆三木 肇(みき・はじめ)1977年(昭52)4月25日生まれ、大阪府出身の42歳。上宮では高校通算23本塁打を放ち、95年ドラフト1位でヤクルトに入団。08年に日本ハムに移籍し、同年限りで現役を引退。通算359試合に出場し、打率.195、2本塁打、14打点、30盗塁。引退後は日本ハム、ヤクルトでヘッドコーチなどを歴任。19年に楽天2軍監督に就任し、イースタン・リーグ初優勝に導く。1メートル80、75キロ。右投げ両打ち。
【取材後記】今回のインタビューを通じて、野球への情熱がひしひしと伝わってきた。多忙にもかかわらず、予定の倍の時間を割いて丁寧かつ論理的に質問に答えてくれた。「野球って本当に面白い。ヒントはどこにあるか分からない。常にいろいろなことを考えちゃう。まだ誰もやったことのない作戦はないかな、とかね」。ほほ笑みながら語る横顔は、まるで野球少年のよう。一昔前に流行した「脳内メーカー」で表現するなら、「野球」の2文字で埋め尽くされているのではないだろうか。練習中やミーティングでは、コーチだけでなく選手から意見やアイデアを募るのも「三木流」だ。野球愛にあふれる指揮官のイズムが浸透すれば、楽天は間違いなく強くなる。 (楽天担当・重光 晋太郎)
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