【新井貴浩 視点】侍J・高橋礼「高めは捨てて低め狙い」米国の対策に負けた

[ 2019年11月13日 08:30 ]

第2回WBSCプレミア12スーパーラウンド第2戦   日本3―4米国 ( 2019年11月12日    東京D )

3回、1死三塁からアデルに四球を与えガックリの高橋礼(撮影・長久保 豊)
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 高橋礼がうまく攻略された。1次ラウンドでプエルトリコを圧倒した前回と違って、最初の打者に最初のスイングでいい当たりをされた。高めを捨てて低め狙いの対策があったのだと思う。横の変化も打ちにいった中で見極められた。思った通りにいかず、バッテリーも受け身になったのだろう。

 慎重になり、1球ごとの間合いも長くなった。打者に考える間を与えず、速いテンポで攻める本来の投球ではなかった。逆に言えば、米国の打者はパワーだけでない。逆方向を意識してボールの内側にバットを当てる技術も高い。

 1点ずつを小刻みに奪い合う展開。7回1死二、三塁からの無得点を惜しむ声があるかもしれない。内野が定位置で守っていて二ゴロや遊ゴロでも1点が入る状況。当然、山田哲ほどの打者なら分かっている。追い込まれれば、ゴロを打ちにいったはずだ。1ボールからの2球目。勝負に出てタイミングは合っていた。浅い左飛は紙一重の結果でしかない。むしろ、2点ビハインドの浅いカウントの時点で内野ゴロを狙うのは消極的すぎる。必要以上に悔やむ必要はない。

 初先発した外崎が2四球と全力疾走での内野安打。6回の誠也も凡打疾走を欠かさなかったから遊撃手の悪送球を誘った。二塁打した8回も中飛でタッチアップする好走塁。連打が出ない中でも何とかつなごうという気持ちが出ている。初戦から全選手が実践していることだ。この姿勢があればいい戦いができる。落ち込むことはない。次の試合はすぐにある。悔しさをぶつければいい。

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