仙台育英のスーパー1年生・笹倉 甲子園での活躍に母は「不思議」

[ 2019年8月30日 08:30 ]

力投する仙台育英・笹倉(撮影・北條 貴史)
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 令和元年最初の甲子園。スポニチ取材班が印象に残った選手などを取り上げるリレーコラムの第7回は、仙台育英のスーパー1年生・笹倉世凪投手です。

 中学時代の成績を知っていれば、この夏の活躍は少しも不思議ではない。仙台育英の1年生左腕・笹倉。だけど、母・春枝さん(43)にとっては「不思議だった」そうだ。

 左腕から威力のある直球。そして度胸満点の投球は「スーパー1年生」と呼ぶに相応しかった。1回戦(対飯山)に先発で甲子園デビューし、2回戦(対鳴門)、3回戦(対敦賀気比)は好救援。それも一塁の守備で途中出場してからの登板だった。秀光中教校時代に、全国中学軟式野球大会決勝で高知のスーパー1年生・森木(当時は高知中)と投げ合った経験を、甲子園で存分に発揮した。
 そんな我が子をアルプス席から見つめた春枝さん。「中学生のときはメンタル面が強くなくて。大会前になると熱を出してたんですよ」。小5まで体も標準より小さめで、小麦などのアレルギーのためパンは米粉製を食べていた。今のマウンドの姿からはとても想像できない。だから「不思議」だという。

 でも、振り返ってみればメンタルが弱かった訳ではなく、繊細だったのだ。この“繊細さ”は投手にとって重要な要素ともなる。相手打者の変化を細かく感じ取り、自分の体の微妙な状態も的確に感知する。それは3回戦に表れていた。1点リードの9回1死三塁からの救援だった。

 「ああいう場面の方が全力で投げることができる」。そう振り返る笹倉は、最初の打者に自己最速145キロを計測しながら、四球を出した。でも「あれで感覚がつかめた」と言った。大ピンチでの四球で自分の投球感覚をつかみ、相手の4、5番を浅い左飛と空振り三振で試合終了。驚くのは、一塁を守っているときに相手打者が内角に対応できていないと察知し、内角を強気に突いたことだ。

 繊細さと大胆さを備えた1年生投手と言えばPL学園の桑田(現解説者)だ。左腕と右腕の違いはあるが、これから笹倉が昭和のスーパー1年生のような足跡を辿っても何ら「不思議」はない。 (秋村 誠人)

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