昔は阪神ファンクラブに…中日 山本 プロ2年目の初勝利「甲子園で勝つことができてうれしい」

[ 2019年8月1日 05:30 ]

セ・リーグ   中日3―2阪神 ( 2019年7月31日    甲子園 )

地元でプロ初勝利を挙げ、与田監督(左)に祝福される山本(撮影・北條 貴史)
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 31日の阪神戦でのウイニングボールを手に与田監督との記念撮影に応じる高卒2年目の中日・山本の姿は、文字通り親子のよう。34歳の年齢差に加え、1メートル82の指揮官と15センチの身長差があるからだ。現役投手で最小兵の1メートル67の孝行息子はあどけなさの残るとびっきりの笑顔を見せた。

 「昔から通った球場。高校の時には夢にも思わなかったけど、その甲子園で勝つことができてうれしいです」

 宝塚市出身で、小学生時代に阪神ファンクラブに入会し月2回ほど観戦。「藤川さんの登場曲や姿に興奮して投手をやりたいと思った」。昨年9月12日にプロ初登板した聖地。市西宮では届かなかった近くて遠い夢舞台で、6回1失点の最高の結果を示した。

 体格以上に堂々としたマウンドだった。直球は140キロ台ながら内角を強気に攻めた。その真っすぐを生かすために習得した新球、縦のスライダーも効果的で、3回まで完全投球。4回に1点返されても、5、6回は併殺打に仕留めるなどして脱出した。鳴り響く虎党の応援にも「昔から聞いたことのある曲ばかりなので」と動じることはなかった。

 打席でも強気だった。4回2死満塁の第2打席では、追い込まれてから2球ボールを選んで5球連続ファウル。最後は空振り三振も青柳に12球も使わせた。

 「記念球は両親に。僕をプロ野球選手にしてくれたので」。球場に駆け付けた父・勝三さん、母・奈緒美さんの前で勇姿を届けた。1メートル93で日本人左腕史上最長身の楽天・弓削がプロ初勝利を挙げた翌日の奮闘。「大きい人に負けたくないとやってきて、この1勝で少し報われたかな。野球少年の希望になれば」。大きなプロの一歩を踏み出した。(湯澤 涼)

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