星稜 林監督、サイン盗み疑惑 習志野控室に怒鳴り込んだ

[ 2019年3月29日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会第6日 2回戦   星稜1―3習志野 ( 2019年3月28日    甲子園 )

<星稜・習志野>習志野に敗れ厳しい表情でグラウンドを出る林監督(右)と奥川(右2人目)ら星稜ナイン(撮影・後藤 正志)
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 前代未聞の怒鳴り込みだ。2回戦で習志野(千葉)が星稜(石川)に3―1で競り勝ち、初の8強入り。今大会No・1右腕・奥川恭伸投手(3年)の攻略に成功したが、敗れた星稜の林和成監督(43)は習志野のサイン盗みを疑い、怒りを爆発。試合後に相手の控室に乗り込んで小林徹監督(56)に「フェアじゃない!」と直接抗議する異例の事態に発展した。 試合結果

 怒りが収まらなかった。試合後の会見を終えると、林監督は顔を上気させて習志野の控室へ。小林監督の元へと乗り込み「フェアじゃないですよ。証拠ありますよ!」と詰め寄った。関係者に促され、一度は隣にある星稜の控室に向かったが、再び乗り込んだ。平然と対応する小林監督に対し「映像をここで見せますよ!」とまで言い放った。

 異例の行動を取ってまで主張したのは、球種のサイン盗み疑惑だ。問題の場面は1―0で迎えた4回。習志野が初めて得点圏に走者を置いた1死二塁の場面で捕手の山瀬が北田球審に、二塁走者に疑わしい動作があることを伝達。1―1の2死満塁、打者・兼子のカウントが0―1となった時点では一塁ベンチの林監督が「セカンドランナー!」と大声を出した。一連の流れを受け、4人の審判が協議。そうした行為は確認できなかったため、大槻二塁塁審が二塁走者に「紛らわしいしぐさはしないように」と伝えるにとどまった。

 林監督は試合後の会見で、直接視察した習志野の1回戦(対日章学園)から同様の行為があったと主張。「誰が見ても(サインを)出していると分かった。最初から最後までずっとだった。問題提起をさせてもらう」と怒りをあらわにした。チーム内からは二塁走者の足の運び方などを指摘する声が上がった。

 小林監督は試合後、4回の審判の協議について「子供たちも反応していた。“おい、おい”という感じだった。何の注意も受けていない」と語った。林監督の抗議を受けた後に話す機会はなかった。

 この問題を受け、大会本部は両チームが引き揚げた後に異例の会見を行った。窪田哲之大会審判副委員長は「サイン盗みは判断できなかった。現段階では“なかった”というのが最終結論」とし、日本高野連の竹中雅彦事務局長は林監督の処分については「事情を聴かなければならない」と話した。大会No・1投手の奥川を擁する優勝候補の星稜が後味の悪い形で聖地を去った。

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