【侍J金メダルへの道】建山コーチ、若武者投手に求める個性 12人中5人が初選出の狙いとは

[ 2019年3月5日 09:00 ]

侍ジャパンの若き投手陣を束ねる建山コーチ
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 【侍ジャパン〜2020東京五輪金メダルへの道〜建山投手コーチインタビュー(上)の(1)】

 3月9、10日に強化試合・メキシコ戦(京セラドーム)に臨む侍ジャパンの建山義紀投手コーチ(43)がスポニチ本紙のインタビューに応じた。27選手中、11人がトップチーム初選出というフレッシュな顔ぶれで、投手陣も12人中5人が初選出。強化試合の狙いや、20年東京五輪までの展望を聞いた。(取材・構成 後藤 茂樹)

 ――メキシコ戦のメンバーは若手中心。1軍ではあまり実績のない選手も選ばれました。

 「一人一人個性をしっかり把握した中で、将来的にどうジャパンにフィットするのかをイメージして呼んでいます。投げるボールの良さや、どう変化するのかというのは、テレビ画面だけでも分かる。でも実際に呼んで、自分の元に置いて見るのとでは全然違ってくるので。それぞれの個性、長所を見たいなと」

 ――所属チームでの役割と、求めるものが違う投手もいるのでしょうか?

 「例えば原樹理(ヤクルト)は、数字の話ならホームランを打たれない(昨季110回2/3で被本塁打3)というのはもちろん魅力です。そして日本人投手は決め球にフォークが多い中、シュートを決め球として投げられる。そういう投手が先発ではなくても、ブルペンに一人いてくれたら助かる部分も出てきます」

 ――田口麗斗(巨人)投手は昨年3月以来の代表復帰となります。

 「先発投手ですが、こっちとしては本当にジャパンで先発してくれ、という感覚ではなくて。彼はけん制も守備もうまく、右打者を苦にしない。ブルペンに入れて、先発投手に何かあった時に早く出ていってもらう。また大会中などアクシデントで先発が足りなくなれば、先発もしてもらう。成長していけばそういう役割で、プレミア12から五輪まで考えています」

 ――緊急登板もこなせる、イニングまたいで投げられるなど、幅広い個性、特性を見ていると。

 「キャンプで12球団回る時に監督やコーチに聞くのは、呼んだ選手について“こういう場面で使いたいと思っているんですけど、どう思いますか?”ということ。いい答えが返ってくることもあれば、逆もあります。メキシコ戦もそうした全ての情報を頭に入れて、“あ、現場で言っていたことはこういうことなんだな”とか、そういう部分をしっかり見たいです」

 ――山本由伸(オリックス)投手は今年先発転向しました。昨年、中継ぎでの活躍を見て選んだのだと思いますが?

 「実は去年の日米野球でも彼には来てほしい思いがありました。ストレートが良く、カットボールもスライダーも、全て平均以上のレベルの高い投手。彼が今季、先発してくれることは凄くありがたいなと感じています。リリーフ経験のある先発投手は、僕の中で貴重で。プレミア12も五輪も、先発投手が何人かブルペンに入ります。その時にやっていた経験が生きるので。山本はマウンド度胸もあるし、あの若さで堂々としたものという印象を持っています」

 ――同い年の梅野雄吾(ヤクルト)投手も20歳。2人が投手陣では最年少となります。

 「本当に強いストレートを投げる。大量失点の試合があって数字は去年ああなりました(防御率7・09)が、後半戦はセットアッパーとして十分な働きでした。抑えを含めて後ろのポジションは外国人に任されることが多く、凄く探しにくいところ。やはり終盤は強いボールでいきたいですし、候補の一人なので楽しみですね」

 ◆建山 義紀(たてやま・よしのり)1975年(昭50)12月26日生まれ、大阪府出身の43歳。東海大仰星から甲賀総合科学専門、松下電器を経て98年ドラフト2位で日本ハム入団。11〜12年は大リーグ・レンジャーズでプレーし、14年阪神で現役引退。日米通算499試合で38勝43敗28セーブ、防御率3・62。

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