ヤクルト山田哲、進化の一発!逆方向へズドン 実戦17打席目1号

[ 2019年3月4日 06:30 ]

オープン戦   ヤクルト6―2巨人 ( 2019年3月3日    東京D )

3回1死、山田は右越えにソロを放つ(撮影・西尾 大助)
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 ヤクルト・山田哲人内野手(26)が3日、巨人戦の3回にオープン戦1号アーチを放った。昨季は34本塁打でわずか3本しかなかった右方向へのアーチ。ウイークポイントの外角低めも攻略した。両足への体重のかけ方などを模索する2019年版の「ニュー山田哲」としての一発。過去3度のトリプルスリーを誇る男が、未知なる領域である「40本塁打、40盗塁」へと第一歩をしるした。

 試合後、山田哲は「ホント、たまたまかな…」と言った。3回1死、捉えたのは外角低めの140キロ直球。打球は逆方向の右翼席に飛んでいった。本人はまだ確信を持てない。「たまたまだけど…。自分の感覚がしっくりした上で、ああいう本塁打が出れば(その後も)続くと思う」。前人未到の領域に踏み込むための、通過点となるアーチだった。

 「少し振り遅れたけど、うまく合わせることができた」。今春の実戦8試合、17打席目での初本塁打は、進化する「ニュー山田哲」を象徴する一発だ。昨季、34本塁打のうち右方向へは右翼2、右中間1のわずか3本。加えて外角低めは0本塁打だった。その2点を同時に攻略。取り組んでいる新たなフォームが徐々に実を結びつつある。

 「体重移動はなんとなくしっくりくる部分は出てきてるけど、今はまだ(感覚的には)“中の上”。開幕まで調整していきたい」

 昨季まで軸足である右足と左足への体重のかけ方は9・1。今季はより強い打球を打つために、8・2、7・3などにするフォームを探求している。軸足への比率を減らせば「直球への詰まりを減らせる。ミートポイントも広がる」と杉村巡回コーチ。バットをより自在に操ることが可能になり、苦手の外角低めも右翼席まで飛ばせた。今はそのピントを合わせる作業の途中。山田哲は「足を上げた後とか(の体重移動)は話すと長くなる。秘密です」と笑った。

 究極の目標は日本球界初の「40本塁打&40盗塁」。杉村コーチは「あのコースを右方向に長打するのは難しい。コツをつかむ、いいきっかけになる。広角に打てば打率も上がるし、本塁打も増える。40本も可能性が出てくる」と証言した。残るオープン戦は14試合。新たな山田哲の覚醒は、もうすぐそこだ。 (鈴木 勝巳)

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2019年3月4日のニュース