広島 誠也 手術後初めて実戦形式の走塁練習「去年よりも全然いい」

[ 2019年2月16日 05:30 ]

順調な調整に表情もやわらぐ鈴木誠也(撮影・中村 与志隆)
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 広島の沖縄2次キャンプが15日にスタートし、鈴木誠也外野手(24)が右足のボルト除去手術後初めて実戦形式の走塁練習に挑んだ。投球モーションに合わせて走り、果敢なスライディングも披露。完全復活へまた1歩前進した。打撃ローテーションにも初参加。居残り特打では堂林に請われて身ぶり手ぶりで助言を送り、濃密な初日に充実感を漂わせた。

 2次キャンプの拠点となる沖縄市のコザしんきんスタジアム。午前に組まれた実戦形式の走塁練習で、一塁ベース周辺にできたナインの輪の中に背番号1の姿があった。日南1次キャンプでは見られなかった光景。鈴木は意欲的だった。

 「怖さは若干あったけど、実戦に入る前に試すことができてよかった。足(の状態)は去年よりも全然いいので、できる範囲でやろうと思っています」

 マウンドに立つ投手のモーションに合わせて二塁へスタートを切り、けん制が来れば瞬時に切り返して帰塁する。果敢なスライディングも披露した。18日からは対外試合が始まる。実戦に臨む前に怖さを拭い、練習しておく必要があった。

 「(今までは)2段階目ぐらいの感じだったけど、自分でやることのランクが上がったのは収穫です」

 17年夏に右足首を骨折。昨季は患部に骨をつなぐボルトを入れた状態で制御しながらプレーし、秋に除去手術を受けた。今春は室内でスピードを徐々に上げる練習を積み、ベースランニングまではこなしていた。一歩前進を感じ取り、次のステップをにらむ。

 「紅白や対外試合で(盗塁の)サインが出れば、攻撃に加われるようにしたい」

 全体練習終了後にもハードな練習に汗を流した。室内で約50分間に渡る居残り特打を敢行。合間には、私生活でも仲の良い3歳年上の堂林に請われ、身ぶり手ぶりで打撃のアドバイスを送った。その中身は伏せたものの、自身の練習意図については冗舌だった。

 「お客さんのいるグラウンドだと、広いから力んだりして意識していることができなくなる。狭い所で集中力を高めるイメージ」

 自慢の打撃に磨きをかけ、足でも魅せようと必死に汗を流す背番号1。雌伏の時を経て、完全復活への光りがようやく見え始めた。(江尾 卓也)

 ≪堂林、生き残りへ必死≫1軍生き残りへなりふり構っていられない。堂林は「誠也は生きた教材。自分(の打撃)がよくなるために、引っ張ってでも見てもらわないと」と危機感を漂わせた。鈴木に助言を求めたのは、手首の返し方や右腰の出し方など。沖縄では対外5試合が組まれており、結果次第では絞り込みの対象になる。三塁にも再挑戦する今春。「もう結果を出さないといけない。ガツガツやっていかないと」と力を込めた。

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2019年2月16日のニュース