巨人ゲレーロ4番合格!初屋外で20発 東京D仕様の広角打法

[ 2018年2月9日 05:30 ]

高橋監督(左)が見守る中、打撃練習をするゲレーロ
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 中日から巨人に移籍したアレックス・ゲレーロ外野手(31)が8日、今キャンプ初の屋外フリー打撃を行った。昨季の本塁打王は62スイングで20本の柵越えを放ち、今季から本拠となる東京ドームに合わせた広角打法も披露。4番候補は視察した他球団のスコアラーを震え上がらせた。2年連続本塁打王に輝き、巨人を4年ぶりのV奪回に導く使者として期待される。

 25スイング目だった。ゲレーロは外寄りの球を逆らわずに打ち返した。逆方向への強烈なライナーは失速することなく、ドライブが掛かり、右中間スタンドに突き刺さった。

 「投げてくる球種、コースによって球場をなるべく広く使うことができるのが野球。それを目指している」。右方向への柵越えはこの1本だけだったが、これこそが「東京ドーム仕様」の広角打法だ。中日時代の昨季は35本塁打で右方向は5本。右中間は1本もなかったが、周囲には「東京ドームに合わせた打撃をする」と話している。東京ドームはナゴヤドームよりも左中間と右中間が6メートル狭く、フェンスも56センチ低い。無理に引っ張らなくても逆方向のフェンスを越すことは可能だ。

 寒さのため、キャンプ初日から室内で打ち込んできた。「(宮崎は)寒くて外にも出歩いていない」。この日も気温8度だったが、雲一つない青空と太陽がキューバ人の血を騒がせた。ランチ特打での初の屋外フリー打撃は62スイングで20発。左中間への140メートル弾もあった。昨季20本以上打った選手が不在のチームで、本塁打王の貫禄を見せつけた。視察したセ・リーグ5球団のスコアラーも警戒心を強め、ヤクルトの西沢浩一スコアラーは「東京ドームと神宮だと、とても怖い。芯近くで捉えられたら全部入る」と頭を抱えた。

 4番起用を明言している高橋監督は打撃ケージ裏で見守り「角度が良い打球も打っていたし、本当に打球が落ちてこないという感じだった」と目を細めた。4位に沈んだ昨季は阿部ら3選手が4番を務めたが、固定できなかった。得点力向上の切り札は「非常に誇りに思うし、全力を尽くす」と、第88代の4番就任を心待ちにする。

 中日退団前に「東京ドームだったら目をつぶっていても50本打てる」と関係者に豪語したという。打者有利の東京ドームで15本の上積みは決して不可能ではない。「ケガなくシーズンを終えれば、数字は付いてくる」。そう胸を張ったゲレーロが頼もしく映った。 (池田 翔太郎)

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2018年2月9日のニュース