ダル、グリエルから差別ポーズ ベンチで“つり目”ジェスチャー

[ 2017年10月29日 05:30 ]

ワールドシリーズ第3戦   ドジャース3―5アストロズ ( 2017年10月27日    ヒューストン )

アストロズ戦の2回、グリエル(下)に先制ソロを浴びたドジャースのダルビッシュ
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 ドジャースのダルビッシュ有投手(31)は27日(日本時間28日)、アストロズ戦に先発したが、1回2/3を4失点でメジャー最短KO。試合も3―5で敗れ、通算1勝2敗となった。2回に先制ソロを放ったア軍のユリエスキ・グリエル内野手(33)が、目を細くするポーズをとったことが人種差別問題に発展。大リーグ機構がグリエルから事情を聴く方針で、何らかの処分が下される見通しだ。

 問題の場面は2回、アストロズのグリエルが左越え先制ソロを放ち、ベンチに戻った後だった。同僚に祝福されると、両手の指で目を細くするアジア人を差別するしぐさを見せた。テレビ中継の映像で流れた。さらに、スペイン語で蔑称を口にしたとされる。

 ダルビッシュはこの回4失点でメジャー最短の1回2/3KOとなったが、試合後の取材では投球よりもグリエルに関する質問が集中。右腕は「自分としてはあまり気にしてない。客観的に見ると、いろんな人種の人を区別するようなことをするのは良くないと思う。MLBもちゃんとした処置をしないといけないと思う」と語った。

 グリエルは「日本投手を打てていなかったから。誰かを攻撃したわけではない」と弁明。試合前まで7打数1安打だった右腕からの初アーチに気持ちが高ぶったようだ。「日本選手に敬意を払っている。ダルビッシュは最高の投手の一人。傷つけたのなら謝りたい」とした。キューバ出身の強打者は14年5月にDeNAに入団、62試合で打率・305、11本塁打を記録したが、翌15年は右太腿裏痛を理由に来日せず、4月に契約を解除された。

 ダルビッシュは「彼も日本でプレーしていたし、彼のことはリスペクトしている」と寛容だが、特にトランプ大統領の就任後は米国社会の差別的な言動に対しての反発は強い。大リーグは「状況は把握している。選手と話す」と声明を発表し、出場停止などの処分は避けられない見通し。47年ぶりに100勝を挙げたチーム同士の頂上決戦に水を差す形となった。 (奥田秀樹通信員)

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