福留 天敵・田口攻略!虎最多5点 CSも頼むで〜

[ 2017年9月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―5巨人 ( 2017年9月12日    甲子園 )

<神・巨>2回、福留は田口から右前適時打を放つ
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 阪神は12日の巨人戦(甲子園)で天敵だった巨人・田口をついに攻略した。8月31日以来の4番出場だった福留孝介外野手(40)が初回の先制打を含む2打席連続適時打を放つなど通算10度目の対戦で最多5得点。5点差を追いつかれて延長12回引き分けに終わっても、再戦の可能性があるクライマックスシリーズを見据えれば大きな収穫を得た。

 序盤の5点先行からの引き分けは確かに痛い。ただ、最終盤の秋を戦ういまの猛虎にとっては収穫を持ち帰る方が大切だ。難敵の田口をついに攻略した。たとえ、黒星は付けられなくても初の2桁安打を浴びせた。初対戦だった15年4月18日に黒星を付けて以降、9試合で8勝を献上。過去10度の対戦では最高3得点が2度、あるだけ。顔を見るだけで嫌になりそうな男を徹底的に打ち崩した。

 まずは初回だ。1死から上本の左前打が突破口になった。糸井の連打で二、三塁とし、8月31日ヤクルト戦以来の4番出場、福留が応えた。「チャンスの打席だったので、積極的に打ちにいきました。先制点を取ることができて良かった」。2ボールからの外角低めスライダーを、狙い澄ましたかのようにコンタクト。田口の足元を抜いた中前適時打で先手を奪った。

 福留は直後の2回、上本、糸井の連続タイムリーで4点目を上げた後、2打席連続の適時打を右前に放った。「みんなの作ってくれた流れに乗り、打つことができた」。田口から最多となる5得点。勝ちきれなかった試合を嘆くより、この事実に胸を張るべきだ。

 過去の対戦がウソのようだった。1、2番を組んだ中堅組の俊介、上本が重圧をかけ、糸井、福留の中軸が着実に得点へ結びつける理想の攻撃。2安打の俊介は「結果が出たのは大きい。続けていきたい」と力を込め、片岡打撃コーチも「しっかり打ってくれた」と称えた。田口から計9安打した上位4人は、今季の対戦打率がそろって4割を越えた。そのいやらしさは、左腕の脳裏に焼きついたはずだ。

 10日のDeNA戦では過去3戦3敗だった浜口から5得点を奪ったばかり。2試合連続で右の大砲、中谷をあえて先発から外した打線で、苦手左腕を立て続けに打ち崩した。

 逆転優勝は極めて厳しい状況に立たされた一方、2位を堅守し、本拠地でクライマックスシリーズのファーストステージに臨むことは濃厚。再戦の可能性がある天敵攻略は、今後に向けて強力な布石となった。(巻木 周平)

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2017年9月13日のニュース