ヤクルト真中監督、今季限り退任へ 後任候補は高津2軍監督ら

[ 2017年8月21日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5―6広島 ( 2017年8月20日    マツダ )

<広・ヤ>帽子を取りメンバー表を交換するヤクルト・真中監督
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 ヤクルトの真中満監督(46)が、今季限りで退任する見込みであることが20日、分かった。15年に就任し、3年契約の最終年を迎えていた。就任1年目に14年ぶりのリーグ優勝に導いたが、今年は主力選手の故障が相次ぎ、借金33の最下位。この日、2年連続のシーズン負け越しが決まった。後任は高津臣吾2軍監督(48)を軸に検討していくとみられる。

 2年前に14年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた真中監督がユニホームを脱ぐ。関係者の話を総合すると、指揮官は最下位に沈むチームの現状について責任を痛感。この日までに球団側と話し合いの場を持ち、退く決意を固めたもようだ。

 就任1年目の15年。前年に1軍チーフ打撃コーチを務めていた経験を生かし、2番に川端を起用。打率リーグトップの強力打線を引っ提げ、自身が主力選手だった01年以来となるリーグ優勝を達成した。日本シリーズにも進出。固定観念にとらわれない手腕で、2年連続最下位に沈んでいたチームをよみがえらせた。

 だが、昨年は5位に終わり、V奪回を目指した今季も低迷。この日の広島戦に敗れて借金33となり、32試合を残して負け越しが決まった。最大の要因は主力選手の度重なる故障離脱だ。2月の春季キャンプ中に川端が椎間板ヘルニアで離脱。復帰できないまま、今月中にも手術を受けることが決まった。打者ではバレンティンや畠山、雄平、大引、投手陣にも秋吉、小川、山中ら故障者が続いた。

 真中監督は「もちろん痛い。でも、いない選手のことを言っても仕方がない。いる選手でやっていくしかない」と西浦、谷内、山崎ら若手を積極起用。さらには、打順変更や選手の入れ替えなどで刺激を与えてきたが、選手層の薄さをカバーできるほどではなかった。5月末から10連敗。7月には球団ワースト記録の16連敗を喫した70年以来、47年ぶりとなる14連敗を記録した。「なかなかうまく回らない」と責任を痛感していた。

 衣笠剛球団社長兼オーナー代行も「優勝したときの主力選手がケガでいない。現場には苦しい思いをさせてしまっている」と今季の戦いを分析していた。後任についてはこれから選定を進めるが、チームの現状を理解し、真中監督の築いた野球を継承できる人物が適任といえる。昨年は1軍投手コーチとして指揮官とともに戦った高津2軍監督を軸に、伊藤智仁投手コーチ(46)やOBの古田敦也氏(52)らも候補とみられる。

 ◆真中 満(まなか・みつる)1971年(昭46)1月6日生まれ、栃木県大田原市出身の46歳。宇都宮学園(現文星芸大付)3年時に春夏連続で甲子園出場。日大では4年春に東都大学リーグ首位打者。92年ドラフト3位でヤクルト入りし、01年に打率.312で優勝に大きく貢献した。07年は代打31安打のプロ野球記録を達成。08年限りで現役引退。通算成績は1368試合出場、打率.286、54本塁打、335打点。09年から2軍打撃コーチ、2軍監督、1軍チーフ打撃コーチを歴任し、15年に監督に就任した。

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