鳥谷2戦連続3安打!11回V撃 2000安打あと14「1試合でも早く」

[ 2017年8月21日 08:20 ]

セ・リーグ   阪神3―2中日 ( 2017年8月20日    ナゴヤドーム )

<中・神>11回、決勝打を放った鳥谷は塁上で吠える
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 誰よりもクールな男は暑い夏が大好きだ。名古屋の虎党に阪神・鳥谷がとびきりの一打を届けた。2―2の延長11回2死二、三塁、岩瀬の初球スライダーを鮮やかに左前へ運んだ。直前で代打中谷が三振し、冷めかけた熱気を、熱い決勝打で一気に沸点まで持っていった。

 「チャンスだったんで積極的に行こうと思っていた。何とか勝ちたい試合だったんで、点を取れて良かった」

 8月に入り、バットからの快音が鳴りやまない。4回先頭では右翼線二塁打。8回も無死から左翼線二塁打。好機を演出したが得点に結び付かず。最後は好機で自らが勝利をたぐり寄せた。2試合連続3安打で今季5度目の猛打賞。8月は63打数26安打、打率・413と驚異的なアベレージを残している。

 「もともと夏、暑いのは好きなんで、そういう意味では良い結果につながっている。良い時も悪い時もあるけど、それが今なのかなと思います」

 試合後はいつも通り、冷静に振り返ったが「夏男」ぶりは数字が証明している。10年の8月には102打数43安打5本塁打25打点、打率・422と打ちまくり、自身初の月間MVPを獲得。43安打は球団の月間最多安打記録として今も残る。真夏でも球場入りの時間の早さは福留と双璧。どんなに暑くても長袖のアンダーシャツや上着を着用し黙々と走り込んでたっぷりと汗を流す。自己管理の徹底ぶりもチーム屈指の鉄人内野手は、もちろん、夏バテとは無縁だ。

 連日の固め打ちで大記録も、いよいよ視界に入ってきた。残り14本に迫った2000安打は、今の勢いなら9試合を残す今月中の到達もあり得る。これまではあまり記録に関して発言することはなかったが「1試合でも早く達成できるように頑張りたい。それはみんなそうでしょう」と前を見据えた。

 ナゴヤドームでの3連戦3連勝は13年8月以来、4年ぶり。連勝を4に伸ばし、貯金も今季最多タイ12とした金本監督も「ベテランが大仕事をしてくれた。今日の決勝打は普通の決勝打とは違う。(16残塁の)拙攻の中で“今日もこういう日なんかな”という日に決めてくれたのがうれしかったね」と手放しで絶賛した。まだまだ暑さが続くシーズン終盤戦。背番号1が淡々と、飄々(ひょうひょう)と、チームを熱くする。(山添 晴治)

 ≪10年8月の・422に迫る勢い≫鳥谷の2試合連続猛打賞は15年9月26、27日の広島戦以来2年ぶり。3安打以上は今季チーム最多の5度で通算133度目となった。8月に入って18試合中14試合で安打しており、猛打賞3度を含む9試合でマルチ安打の固め打ち。月間63打数26安打の打率・413は、球団記録の月間43安打をマークした10年8月の・422に迫る勢いだ。

 ≪Xデーは9月1日≫あと14本に迫る通算2000安打は、今季のペース(114安打/109試合=1試合あたり1・05本)なら14試合後の9月6日の広島戦(マツダ)、8月の好調(同1・44本)を維持できれば10試合後の9月1日、中日戦(甲子園)がXデーになる。

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