イチロー“予告”3000安打だ 超異例!球団が30日スタメン出場を発表

[ 2016年7月30日 05:30 ]

<マーリンズ・カージナルス>7回1死一塁、代打・イチローが二塁打を放つとスタンドのファンは大興奮!スクリーンにも3000安打まで残り「2」が映し出された

ナ・リーグ マーリンズ4―5カージナルス

(7月28日 マイアミ)
 超異例の「3000安打予告」だ!マーリンズのイチロー外野手(42)が28日(日本時間29日)、カージナルス戦の7回に代打出場。右翼線二塁打を放ち、大リーグ史上30人目のメジャー通算3000安打に残り2本と迫った。球団は試合後、公式ツイッター上で29日(同30日午前8時10分開始予定)のカ軍戦でのイチローのスタメン出場をサプライズ告知。本拠地マーリンズ・パークへの来場を呼び掛け、大記録達成への舞台は整った。

 試合終了から、約2時間後。マーリンズが公式ツイッターを通して、仰天の発表を行った。

 「公式情報:イチローは明日のナイターに先発出場する予定です。3000安打まで残り2本です」。さらにチケット購入画面へと導くリンクが添えられ、「一緒に見届けよう」と来場を呼び掛けた。公式戦で1人の選手に対し、球団が発信する先発の告知。極めて異例のことだ。

 ツイートされたのは既にクラブハウスが閉まり、マ軍の全首脳陣、選手が帰路に就いた後。ただ、ドン・マッティングリー監督はいくつかの「ヒント」を残していた。試合前には「イチローの先発がある場合は事前に伝えるよ」と言い、試合後の会見では「現時点では言えない」と発言。思いがけない方法ではあったが「現時点(会見時)」では言えなかったことを「事前に」伝えた。

 さらに故障者の発生やマイナーとの入れ替えがない状況で試合後の首脳陣のミーティングが長引いていたことも、普段とは異なる事態を示していた。試合後、通常は当日の先発投手よりも先に行われる監督の会見が後回しになったからだ。この時間帯に首脳陣の間でイチローの次戦先発が決まり球団側とツイッター告知に関しての方針が固められたとみられる。

 イチローは3―5の7回1死一塁から代打出場。右腕ブロクストンの2球目、93マイル(約150キロ)の速球を思い切り引っ張った。痛烈なゴロが右翼線へ転がり楽々と二塁へ。通算2998安打とした。「納得の打球か」の問いに「それ言うと、“自画自賛”とか(の報道)になるから。別に。そんなわけでもないし、ヒットならそれでいいです」とクールに返した。

 最近2試合で7打数無安打のイエリチに代わる左翼として2番での出場が濃厚。今季先発した34試合中、17試合でマルチ安打を記録しており大記録達成の確率は単純計算で5割だ。異例の先発告知により、当日はこの日の2万5060人から増えることも予想される。

 打席での地元ファンからの歓声も日増しに大きくなっており「はい。知っています」とイチロー。周囲の過熱ぶりを冷静に受け止めつつ、大記録をもさらりと駆け抜ける構えでいる。 (笹田幸嗣通信員)

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