金本監督 藤浪5連敗も…絶好機に代打送らず信頼「普通の投手と違う」

[ 2016年7月30日 05:30 ]

<神・中>初回2死一、二塁、平田(手前)に先制3ランを浴び、打球を振り返ることもなくぼう然とする藤浪

セ・リーグ 阪神1―3中日

(7月29日 甲子園)
 前を向ける黒星だ。阪神先発の藤浪は7回5安打3失点の粘投も実らず7敗目、ともに自己ワーストとなる5連敗、7試合連続白星なしとなった。それでもトンネルの出口が間近だと証明した。

 「バランスも悪くなかった。いろんな球種を使ってうまくリードしてもらった。だからこそ、もったいなかった。あの1球に尽きると思う」

 悔いが残ったのは初回だ。連続三振で簡単に2死を奪いながら連打で一、二塁とされ、平田に甘く入った直球を捉えられた。左翼越え3ランを被弾。「走者を背負って打たれたくないという気持ちが入り過ぎてしまった」と振り返った。

 ただ、2回以降は息を吹き返すような快投を見せる。発奮材料となったのは5回の攻撃。3点ビハインドながら、2死満塁で巡ってきた打席で代打を送られることはなかった。金本監督も「(投球が)上り調子だったし、普通の投手と違う。本当は代打で行きたいところだったけど」と明かしたように、絶好機をつぶしても、復調のきっかけをつかみつつある右腕の続投を優先させた。

 「代打でもおかしくないし(結果は三振で)打席で何とかしたかったけど、何とか後半粘った。最低限の仕事しかできなかったですけど」

 今季初コンビを組んだ鶴岡の緩急を生かした好リードもあり、2回からの5イニングを無失点に封じた。7回は味方の失策に、捕逸による振り逃げなども絡んで2死満塁と追い込まれながら大島をカットボールで空振り三振。チームでは04年の金沢以来となる1イニング4奪三振を最後に積み重ね、今季自己最多タイの13奪三振をマークした。

 「(7回は)落ち着いてましたし、配球も考えて投げられた。ピンチで気持ちが先行してしまうことが多い。落ち着いてできれば、今後もああいう投球ができると思う。(フォームは)応用、工夫が今日に関してはうまくいった。その感覚を忘れないように」

 前回22日の広島戦(マツダ)で見せた左足を上げた際にグラブとボールを離して体を割る新フォームにも手応えを得た。完全復活への足がかりとなる113球だった。 (遠藤 礼)

 ▼阪神・香田投手コーチ (7敗目を喫した藤浪について)フォームとかも改善して、そういう所では、手応えを感じているんじゃないかな。走者が出たときのクイックとかは微修正が必要。(平田の3ランに)あの1球だけでしょ、失投は。

 ≪5連敗は自己ワースト≫藤浪(神)の5連敗は14、15年に1度ずつあった4連敗を上回る自己ワースト。6月2日楽天戦の完封以降、7試合連続の勝ちなしも自己最長のブランクとなった。この日は初回に平田の3ランを被弾。今季登板の17試合中、初回の失点は過半数の9度を数え、敗戦7試合の中でも4試合で喫している。

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