巨人・坂本 ドロ沼脱出弾 8年連続2桁10号、連敗7で止めた

[ 2016年5月30日 05:55 ]

<巨・神>3回2死、メッセンジャーから10号ソロを放つ坂本

セ・リーグ 巨人2―1阪神

(5月29日 東京D)
 日曜日の東京ドーム。連敗ストップの立役者である巨人・坂本が高木、重信とともにお立ち台に上がった。この瞬間を待ちわびていた客席のボルテージは最高潮に達した。

 「なかなか勝てなかった。ホッとしています」。思いはファンも同じ。惜しみない拍手と大歓声は自然と起きた。

 勝利を近づける一振りは1点を先制した3回だった。2死走者なし。メッセンジャーの高めに浮いた134キロフォークを捉えた。「打った瞬間、入ると思った」。阪神ファンで埋まる左翼席へ14試合ぶりの10号ソロを叩き込んだ。

 主将として。7連敗と苦しんだナインの真ん中にいた。重信や岡本ら若手も増えたチーム。「“ああ、今日も負けちゃったな”というふうになるのは良くない」。年上の選手にも相談しながら、ミーティングで声を出し続けた。前日は、若手に交じってアーリーワークに参加。行動でも仲間の気持ちを奮い立たせた。

 一打者として。貪欲な向上心が好調を支えている。18日のDeNA戦(福島)。練習前に相手の主砲・筒香を見かけると、打撃理論を聞いた。その時点で打率・356、9本塁打。聞かれた筒香も「坂本さんの方が打っているのに」と思わず苦笑い。巨人の遊撃手では広岡、二岡の7度を抜いて通算8度目の2桁アーチを放った坂本の好調の要因は、こんな姿勢にもある。

 接戦をものにし、交流戦前最後の試合で悪い流れを断ち切った。高橋監督は「試合の流れからしても、結果的にも大きな1点」と坂本を高く評価した。31日からの交流戦ではいよいよ阿部も帰ってくる。「いい投手、いい打者が多いですが、チーム力で勝てるように。やるだけです」と坂本。言葉にも熱がこもった。 (川手 達矢)

 ▼巨人・老川祥一オーナー(試合前に)7連敗は危機的状況であるけど、今日勝って交流戦に弾みをつけようと話をした。ファンの皆さんにも安心してもらえたと思う。

 ▼巨人・脇谷(左足首痛のクルーズに代わり二塁で先発し、3回に右中間二塁打)連敗もしていたので、積極的に向かっていった。

 ≪メッセ“大好物”≫坂本(巨)が今季10号。これで09年から8年連続で2桁に乗せた。巨人の遊撃手でシーズン2桁本塁打8度は広岡、二岡の7度を抜く最多。チーム50試合目での10号は10年の40試合目に次ぎ自身2番目のスピード到達だ。メッセンジャー(神)からは通算6本目。投手別では石川、小川(ともにヤ)、前田健(広)の5本を上回り最多。

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