【吉村禎章の視点】巨人・高木に冷静さを与えた一呼吸「の」間

[ 2016年5月30日 09:41 ]

<巨・神>7回を3安打1失点で4勝目を挙げた高木

セ・リーグ 巨人2―1阪神

(5月29日 東京D)
 【吉村禎章の視点】

 打たれだすと投球が単調になりがちな巨人・高木だが、この日は独特な「間」があった。

 捕手からの返球を受け、サインを見る。ほんの短い時間だが、その後にワンテンポ置いてから投球動作に入っていた。普段ならサインを見るや、速いリズムでポンポンと投げる。それが、ひと呼吸入れることで「この1球の意図」を直前に再確認していた。打撃フォームでも、ためをつくるために「1、2、3」ではなく「1、2“の”3」という表現を使う。この「の」が冷静な投球の一因ともなった。

 2点を先制してもらった直後の4回。失点したくない場面で、先頭・鳥谷に一発を浴びた。ポイントだったのはその後の投球。一発を意識して明らかに大振りになっていた福留、ゴメスを、丁寧に低めの変化球で打ち取った。常に冷静さを失わなかった。

 交流戦を迎える前に連敗を止めたのは大きい。ただ、勝ったとはいえ2得点。日替わりとなっている1、2番が、好調な3番・坂本の前にいかに出塁するか。個々の打者が役割を再認識し、得点パターンを確立したい。(スポニチ本紙評論家)

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2016年5月30日のニュース