【牛島和彦の視点】巨人バッテリー 怪物ビシエドを封じた「内角高め」の意味

[ 2016年5月21日 09:26 ]

<中・巨>4回2死、菅野はビシエドの二塁ゴロを好捕したクルーズに拍手する

セ・リーグ 巨人2―0中日

(5月20日 ナゴヤD)
 巨人の菅野と小林誠のバッテリーは、ビシエドを封じるために明確な狙いを持って攻めた。1、2打席目は走者なしの場面。初球、捕手の小林誠はいずれも内角高めにミットを構えた。懐に食い込むワンシームで果敢に斬り込んでいった。

 ただの内角球ではなく、高めというところに意味がある。特に2打席目は、腕を畳まなければ打てないような厳しいコース。ビシエドは内角を過剰に意識することで、外角球に踏み込めなくなった。そして6回の第3打席。2死一、二塁のピンチで、過去2打席の配球が生きる。菅野は初球に外角スライダーを投じて空振り。2球目は内角のボール球になるワンシームだった。打席の4番打者は「内、外のどっちだ?」と迷ったはずだ。最後は外角スライダー。甘く入った。それでもビシエドは踏み込めず、右方向におっつけることもできずに、引っ掛けて遊ゴロに倒れた。

 攻撃陣が再三の好機をつぶす嫌なムードの中で丁寧に耐えながら投げ続けた。相手4番を封じ、チームの勝利につなげる。エースの働きだった。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2016年5月21日のニュース