由伸巨人 菅野が呼んだ!延長不敗5勝3分け「もう言うことはない」 

[ 2016年5月21日 07:00 ]

<中・巨>4回2死、菅野はビシエドの二塁ゴロを好捕したクルーズに拍手する

セ・リーグ 巨人2―0中日

(5月20日 ナゴヤD)
 エースの勝利への執念が野手に伝わった。0―0で迎えた延長11回。巨人・菅野はベンチで勝ち越し劇を見届けた。

 「自分の仕事をするだけだった。久しぶりに毎回ランナーを背負ったけど、0に抑えることができてよかった」。8回を6安打無失点。勝因は初対戦した4番・ビシエドを抑えたことだ。2回は投ゴロ、4回は二ゴロ。3度目の対戦は6回2死一、二塁だった。初球は外角低めのスライダーで空振り。2球目はワンシームを胸元へ。3球目、再び外角スライダーで遊ゴロに仕留めた。女房役の小林誠は「まだ1試合。抑えたとは言えない」と謙遜しつつ、6回の場面は「(今日の)それまでの打席のこともあったので」と振り返った。

 1、2打席で計7球中、4球が内角。投手陣は前回6日からの3連戦でビシエドに2打席連発を浴びるなど本拠地で3連敗を喫した。試合前のミーティングでは、内角球の重要性を再確認。この日はその狙い通り、2打席目までに意識付けた。3打席目は「どこかで(内角球を)狙ってくることを感じ取りながら(最後は)スライダー。あれは良かった」と菅野。ピンチの場面でも思惑通りに打ち取り、外野にすら飛ばさせなかった。

 奪三振は5。球団新の4試合連続2桁奪三振は逃したが、エースは追求していない。「小さい頃は(奪三振は)うれしかったけど、今はそんな低いレベルで野球をやっていない。(三振は)最低3球かかる。僕は(1試合で)27奪三振よりも、27球で終わった方がいいと思っている」。これが持論。この日も三振だけにこだわることなく、打者の手元で沈む速球系のワンシームを武器に相手の打ち気を誘うようにして打たせて取った。

 今季、延長戦は5勝3分け。「延長不敗神話」で連敗を2で止め、首位を守った。高橋監督は「ピッチャーが全て。先発から中継ぎ、抑え。みんなが頑張ってくれている」と評し、菅野については「いつも通りというか、もう言うことはない」と手放しで褒めた。エースが登板すればチームは今季9戦負けなし。防御率は0・61。投げるたびに菅野の凄みは増していく。 (川手 達矢)

 ≪14年ぶり3度目≫巨人が延長11回の末、2―0で勝利。延長戦の完封勝利は、14年5月31日のオリックス戦で延長12回、1―0と勝って以来だ。これで今季の延長戦は5勝3分けで8戦無敗。2リーグ制以降、巨人が延長戦に開幕から5連勝以上は(☆は新人監督)
 年度 連 勝  監督 
83年 5連勝 藤田元司
02年 6連勝☆原 辰徳
16年 5連勝☆高橋由伸
 と02年以来14年ぶり3度目で、最近2度は新監督がマークしている。

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