二審は日本ハムのみ賠償令 札幌D、札幌市は責任なし

[ 2016年5月21日 05:30 ]

2010年8月にプロ野球観戦中にファウルボールが当たり右目を失明した女性が座っていた札幌ドームの内野席

 札幌ドームの内野席でプロ野球観戦中、ファウルボールが直撃し右目を失明した女性が北海道日本ハムファイターズなど3者に約4650万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は20日、一審判決を変更し、日本ハムにのみ約3350万円の支払いを命じた。球場の管理会社としての札幌ドームと、所有者の札幌市への請求は棄却した。

 判決理由で佐藤道明裁判長は、日本ハムが小学生を招待した企画に保護者として付き添っていたこの女性には、野球の知識がほとんどなかったとして「日本ハムは打球の危険性を告知し、安全に配慮する義務があったが、十分尽くしたとは認められず損害賠償の責任を負う」と指摘した。

 一方、札幌ドームの設備について「内野フェンスの高さは他球場に比べて特に低かったわけではなく、通常の観客を前提とすれば安全性を欠いていたとは言えない」と判断。「打球を回避できる安全設備が必要だった」とした女性側の主張を退けた。

 球団側は「球団の主張通り、他の球場同様、札幌ドームにおける野球観戦の安全性を認めていただいた点は妥当な判断であると考えます。球団に安全配慮義務違反を認めた点につきましては、判決を十分に精査した上で今後の対応を検討いたします」としている。

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2016年5月21日のニュース