阪神マテオ1点差守れず 2戦連続救援失敗も球児と配置転換は「まだ」

[ 2016年5月21日 05:30 ]

<神・広>9回1死三塁、エルドレッド(左)に同点となる中犠飛を打たれるマテオ

セ・リーグ 阪神1―4広島

(5月20日 甲子園)
 阪神は20日、広島戦(甲子園)で延長12回総力戦の末に1―4で敗れ、再び勝率5割へ後退した。9回に5日ぶりに登板したマテオが虎の子の1点を守れなかった。10回以降は藤川、石崎がいずれも3連投の奮闘を見せながら最後は延長12回に力尽きた。今季6度目を数えた延長戦は3敗3分け。特にマテオは登板2試合連続の救援失敗で今後へ不安を残した。

 連夜のサヨナラ勝利を信じた虎党のため息が球場に響いた。同点で迎えた延長12回2死三塁。8番手の榎田が磯村に投じた7球目だ。フルカウントからのチェンジアップを強振された一打は決勝の左前適時打。菊池にも追い打ちを浴び、一気に3点を失った。この回、先頭の鈴木に四球を出して降板した田面にプロ初黒星がつき、猛虎は力尽きた。

 最大の誤算は9回に投入したマテオだ。金本監督も悔やんだ。満を持して5日ぶりに送り出したマウンドで虎の子の1点を守れなかった。

 「ノーヒットで1点。まあ、四球かな。やっぱり。(マテオの)ボール自体は、そんなには悪くないようには見えたけどね。(コンディションの影響は)ないんじゃない。逆に調子上がったぐらいじゃない。ゆっくり休んでね」

 9回を任されたマテオは先頭打者の丸に四球を許すと聖地がざわつき始めた。イヤな予感は的中。続く新井への4球目には速球がすっぽ抜ける暴投で走者は二塁に進塁した。なおも1死三塁からエルドレッドに投じた2球目が命運を分けた。カウント1ボールから甘い速球を強振された一打は中堅への同点犠飛となった。無安打での失点だけに悔いが残る。

 「すべては先頭の四球だ。体の状態はまったく問題なかった」。

 前回15日のDeNA戦(横浜)でも2点差を守れずに救援を失敗していた。翌16日には左股関節痛を訴えて前夜まで3試合登板を回避。実戦マウンドは5日ぶりで、9度目の登板となった甲子園で初失点を喫した。前夜まで守護神不在の穴を埋めた藤川は3連投ながら無失点の力投を披露。不安定さを露呈したマテオとの配置転換の可能性について金本監督は現時点では即座に否定した。
 
 「さすがに最後、球児はまだないでしょう。まだ、そうは言っても。まだ3試合目よ」

 今春先発調整に専念してきた藤川は救援転向したばかりで、マテオに抑え役を任せる基本方針に揺らぎはない。ただ、2度連続でセーブ機会に失敗した不調が一過性で済むのかどうか。今後へ不安が残ることも確かだ。

 今季6度目を数えた延長戦は3敗3分けの未勝利。金本監督は12回を戦いながら1得点に終わった打線への苦言も忘れなかった。「一番は打てないことよ。やっぱり主軸が打ってね」。12安打で14残塁の拙攻も響いた。勝率は5割へ逆戻り。前夜サヨナラ勝利の波に乗れず、一進一退の日々から抜け出せない。 (山本 浩之)

 ▼阪神・香田投手コーチ(マテオについて)先頭打者への四球を反省してもらわないと。前回より良かったんだけど。ボールが全然違ったから。

 ▼阪神・榎田(延長12回2死三塁から決勝打を許し)田面が出した走者がいたんで、しっかり抑えたかったんですが…。

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