柳田ポール直撃V弾「切れてファウルになるかと」

[ 2016年5月11日 05:30 ]

<ソ・ロ>6回1死一塁、左越えに2ランを放つ柳田

パ・リーグ ソフトバンク2-1ロッテ

(5月10日 ヤフオクD)
 値千金の決勝2ランだった。0―0で迎えたソフトバンクの6回の攻撃だ。1死から中前打で出塁した今宮を一塁に置き、柳田がロッテの先発・石川の2球目、真ん中やや高めの142キロ直球をフルスイングで捉えた。逆方向に高々と上がった打球は左翼ポール上部に当たった。「飛距離は大丈夫だと思っていたけれど、切れるかなと。奇跡です」。打席付近で打球の行方を見守っていた柳田は本塁打を確認してから勢いよく走りだした。

 母の日(8日)の楽天戦に続く今季初の2試合連続弾。「バンディ(バンデンハーク)がきょう記録がかかっていて、凄くいいピッチングをしていたので何とか打ちたいと思っていました」。お立ち台の上でバンデンハークとともにとびきりの笑顔でチームの7連勝を導いた一発を振り返った。

 昨年トリプルスリーを達成し、今季は日本プロ野球初の40発40盗塁を目指す男は目標設定の変化でシーズン中のトレーニング方法を変えた。昨季は夏場でもウエートトレーニングを行い、体重を1、2キロ増やしたが、今季は山川1軍コンディショニング担当のアドバイスで体幹トレーニングメニューを増やした。目的は体のキレを作るためだった。「まだ切れは出てきてませんけれどね」と笑っていたが、この日52歳の誕生日を迎えた同担当に恩返しの一撃にもなった。

 柳田の活躍で貯金は今季最多の13に増え、5月負けなし状態も続く。だが、調子を聞かれてもまだ首をひねるばかり。「(対戦した石川は)本当にいいピッチャーなので、当たって砕けろの気持ちでいっただけ。抑えられて当然の気持ちで打席に立った」。開き直りの精神で突破口をこじ開けようとしているのが現状だ。ただ「(ここまで)僕は何もしてないけれど、他の人が貢献している。でも、それもずっとうまくいくことはない。その時に僕が打てたらいい」と心の中の炎を燃やしていた。(田中 貴久)

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2016年5月11日のニュース