【鈴木啓示の視点】伏線は無駄な四球…藤浪の課題は勝負どころの制球力

[ 2016年4月27日 09:15 ]

<神・巨>6回表無死満塁、クルーズ(左)に同点となる左前適時打を打たれる藤浪

セ・リーグ 阪神3-5巨人

(4月26日 甲子園)
 嫌な予感が的中した。5回2死。藤浪は8番の小林誠にストレートの四球を与えた。次の回を9番から迎えるためにも、絶対に与えてはいけない四球。ましてや6回はグラウンド整備を挟み、投手にとっては「間」が開く。4失点の伏線は無駄な四球だったと言わざるを得ない。

 6回先頭の長野を安打で出塁させ、そこから投球が変わった。ストライクをねじ込み、力で抑えようという投球である。結果、立岡にはカウント0―2から、坂本は初球、亀井には0―1から痛打された。藤浪自身もここが勝負どころと踏んだはずである。だが、そのせいで視野が狭くなり、ストライクゾーンの中で勝負しすぎたように思われる。どんな投手もピンチは迎えるが、そこで明暗を分けるのは、どれだけ余裕を持ってボール球を振らすことができるか…である。この日に関しては、正直に勝負に行きすぎた感がある。

 誰もが認める先発陣の柱だが、さらにベンチやナインとの信頼関係を強固にして行って欲しい。そのためには今以上の制球力が必要だ。それがあれば、持ち味の球威も生き、もっと勝てる。課題が明確になった敗戦ではないか。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2016年4月27日のニュース