バンデン日本記録13連勝 デビューから無傷、堀内に並んだ

[ 2016年4月27日 05:30 ]

<オ・ソ>力投する先発のバンデンハーク

パ・リーグ ソフトバンク9-3オリックス

(4月26日 京セラD)
 オランダ出身の長身右腕が、不動の安定感で9300キロ離れた日本のプロ野球史に名を刻んだ。ソフトバンクのバンデンハークは6回を3安打2失点と好投し、昨季デビューから無傷の13連勝。堀内恒夫(巨人)が66年にマークした記録に50年ぶりに並んだ。

 「もちろん素晴らしいことだが、個人で野球をやっているわけじゃない。スコアラーが分析してくれ、トレーナーが治療してくれ、チームメートとともに戦っている」

 初回にモレルに2ランを浴びたが、2回以降はすぐさま修正。昨季は150キロ超の直球で三振を奪っていく投球スタイルだったが、速球を狙ってきたオリックス打線相手に110キロ台のカーブで3三振を奪うなど巧みに緩急を使った。「昨年と違うのはより捕手とコミュニケーションを取るようになったことかな」。クレバーな投球術で尻上がりに調子を上げ、4~6回は3者凡退に仕留めた。

 2日の日本ハム戦(東京ドーム)の4回から続く連続無四球イニングは24回となった。豪快さはなりを潜めても抜群のコントロールで安定度は増した。工藤監督も「制球がいいので失投になりにくいし、球威でも抑えられる。相手にとっては脅威。一週間の過ごし方やトレーニングもストイックにやっているからね」と絶賛した。

 この日もバックネット裏ではアナ夫人が応援。「奥さんがしっかりやってくれているから選手としてやっていけている」。福岡での練習や試合では球場までの送り迎えを欠かさない美人妻に改めて感謝した。

 サッカーが有名な母国で野球はマイナー競技だが、欧州で普及に尽力する父の影響で始めた。プロとして米国、韓国に続く3カ国目のマウンドにも「いい投手になりたい情熱があるから」とさらり言う。オランダ語に加え、英語、ドイツ語、スペイン語、韓国語の計5カ国語を操り、日本語も学ぶ超国際派。V3を目指すチームにとって「負けない男」は最高かつ最強に頼もしい。(田中 貴久)

 ▼堀内恒夫さん(野球評論家)13連勝と言われてもね。比較のしようがないんじゃない?こっちは高校出の18歳だったし、開幕からの連勝だし…。でも“負けない”というのは凄いこと。安定感のある投球が、勝ち星に結びついているのだと思う。打線がいいチームだから、連勝はもっと伸びる可能性があるんじゃないか。

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2016年4月27日のニュース