藤浪“完封ペース”のはずが…6回まさか5安打浴び4失点

[ 2016年4月27日 05:34 ]

<神・巨>6回表無死満塁、勝ち越しを許し、マウンドで口元を隠し話す藤浪(左)と梅野

セ・リーグ 阪神3-5巨人

(4月26日 甲子園)
 野球の怖さを阪神・藤浪が思い知った。2点リードの6回、快調な投球が突如として崩れ、巨人打線に一気に攻略された。

 「先頭を出して、次のバッターも、投げミスで作られた流れを止めることができなかった」

 長野の中前打、立岡の右中間二塁打の後、坂本には初球の直球を右前に運ばれて、1点差に迫られた。さらに四球で満塁へと窮地を広げた後、クルーズの左前打で同点を許し、亀井には内角直球を右翼線へ勝ち越しの2点適時二塁打を浴びた。この回だけで5安打を集められ、試合をひっくり返された。

 5回までは1安打無失点。「ボール自体は良かったし、調子も悪くなかった」。69球という完封ペースが一変した6回の悪夢。伏線はあった。5回2死無走者から8番の小林に与えたストレートの四球だ。無失点で終えても打順を9番まで回したことで1番から始まる好打順を巨人に与えた。6回の攻撃前、ここぞとばかりに三塁側ベンチ前には円陣が組まれ、猛攻を仕掛けられた。

 香田投手コーチが「あれからボタンの掛け違いが始まったな。小林を取っていれば(6回は)ピッチャーからだった」と嘆き、矢野作戦兼バッテリーコーチも「バッターにとって有利なカウントで打たれてる。もっと意識して欲しい」と若いバッテリーに苦言。金本監督も首を傾げた。

 「何かね…。きょうこそ完投かなとも思っていたんだけど。突然ね。あれ(5回の小林誠への四球)は関係ないでしょ。無駄な四球だけど。特に球が悪いように見えなかったけど、コントロールかな」

 前回19日のヤクルト戦(甲子園)で手応えをつかんだ直球は最速155キロを計測するなど右肩上がり。自信を固めるはずの白星は悔しい今季初黒星へ変わった。「そんな簡単にはじき返されるボールではなかったと思うので。相手の流れの流れの中で、もっと、うまく考えて投げられたら良かった」。開幕からの連勝は3で止まり、登板日に初めてチームも負けた。苦い経験を糧にし、次こそ宿敵の前に仁王立ちしたい。(遠藤 礼)

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2016年4月27日のニュース