東大23季ぶり明大戦勝利!“守備8割、攻撃2割”で勝ち点王手

[ 2016年4月19日 06:08 ]

<東大・明大>9回2死二塁 サヨナラ打を放ちガッツポーズする東大・山田(左)

東京六大学野球第2週第2日 東大3―2明大

(4月18日 神宮)
 エース宮台が投げなくても、勝っちゃった。雨のため順延となった2回戦2試合が行われ、東大が明大にサヨナラ勝ちして1勝1敗とした。2―2の9回に山田大成内野手(3年)がサヨナラ打。明大戦の勝利は2004年秋以来23季ぶりで、明大戦の連敗を47で止めた。東大のサヨナラ勝ちは08年秋の法大戦以来15季ぶり。19日の3回戦は来秋ドラフト候補に挙がる左腕・宮台康平投手(3年)が先発予定で、02年秋の立大戦以来27季ぶりとなる勝ち点を狙う。

 2―2の9回2死二塁。エース宮台は延長戦に備え、ブルペンで肩をつくっていた。その時だ。3番・山田の打球が右中間を破った。歓喜の輪が広がる。宮台と同じ3年生は「最高です。開幕から打てなくて自分のせいで負けたと思っていた。取り返してやろうと」と興奮気味に話した。

 16日の1回戦では0―1でサヨナラ負け。宮台は同じく0―1でサヨナラ負けした9日の早大戦に続く1失点完投で敗れた。山田はここまで3試合で10打数無安打。責任を感じていた。前日は雨天中止となり、東大グラウンドに戻ると、ティー打撃でフォームを修正。浜田一志監督から「体が前に突っ込み過ぎている。足の裏をしっかり投手に向けて打て」と言われた。開幕から27イニング連続無得点で迎えた2回戦。指揮官の助言を守り、初回1死二塁で二塁内野安打。敵失も誘って先制した。開幕から28イニング目の初得点でこの回2得点。山田は「これで楽になった」と9回のサヨナラ打につなげた。投げては先発の柴田、2番手・有坂の継投で同点とされても、勝ち越しは許さなかった。

 対明大勝利は04年秋以来。無失策で競り勝ち、練習の成果を見せた。指揮官は「投打に崩壊して10連敗よりも(同じ負けなら)守って粘ろう」と打撃よりも守備に重点を置く。全体練習でも「守備8割、攻撃2割」で時間を割いた。これまで午前いっぱいで終わっていた練習時間を午後3時まで延長し、選手は壁当てからのゴロ捕球やネットスローイングなど地道な練習を続けた。さらに山田は遊撃守備を磨くため、年明けに国学院大で「武者修行」。柴田(現DeNA)ら内野手育成に定評のある東都の名門の練習に交ざり、鍛えた。

 エースを温存し、つかんだ今季初勝利。19日の3回戦では02年秋の立大戦以来の勝ち点を狙う。明大から挙げれば、実に75年秋以来81季ぶりだ。浜田監督は「何とか宮台を勝たせてやりたい」とエースを先発させる。宮台も「しっかり準備したい」と燃えた。(松井 いつき)

 ▼東大・有坂(同点の7回から登板し、3回無失点の好救援でリーグ戦初勝利)腕を振って投げれば打たれないと思っていた。冬の間、球質を上げる練習をしてきた成果が出たと思う。

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