岡本哲司氏が高校野球監督に転身 プロ監督経験者では異例

[ 2016年4月19日 06:37 ]

11年、横浜(現DeNA)で総合コーチを務めた岡本氏

 昨年までオリックスの2軍監督を務めていた岡本哲司氏(55)が、和歌山南陵高校の野球部監督に就任したことが18日、分かった。

 NPBの1、2軍の監督経験者が高校野球の監督になるのは異例。スポニチ本紙の取材に「目指すところは社会貢献できる人材育成です。野球のゲーム性でいうなら、点を取って勝つために全員がどう動くのかを指導したい」と抱負を口にした。

 岡本氏は、84年ドラフト6位で大洋に捕手として入団。96年の引退後は日本ハム、オリックスでの指導歴に加え、横浜の編成部長なども歴任したが、特に有名なのが03~06年まで務めた日本ハム2軍監督だ。多くの若手選手を育成して当時低迷していたチーム再建に貢献した。武田久、田中賢、小谷野なども教え子だが、06年に投手から野手に転向した糸井も育てており、ダルビッシュも師事した時期がある。情熱的な指導で、球界関係者の間でも「のちの1億円プレーヤーを何人も出した」と言われたほど隠れた名伯楽だった。

 指導する和歌山南陵高は、休校中の国際開洋第二高から校名を変更し、9日に開校式と入学式を終えたばかり。野球部は第1期生となる1年生40人で、今夏の第98回全国高校野球選手権和歌山大会へ向けて、12日から練習を開始している。

 13年からプロアマ双方の取り組みにより、「学生野球資格回復制度」が始まり、元プロ野球関係者が、学生野球(高校、大学)を指導する道が大きく開けた。オリックスでは、昨年まで内野手でプレーしていた山本和作氏が、今春から母校の大経大で監督に就任している。

 ◆岡本 哲司(おかもと・てつじ)1961年(昭36)3月15日生まれ、和歌山県出身の55歳。吉備(現有田中央)、神戸製鋼を経て84年のドラフト6位で大洋入団。90年トレードで日本ハムに移籍し実働9年で89試合に出場した。96年に現役引退。97年から06年まで日本ハムでバッテリーコーチ、2軍監督。08年から11年は横浜で2軍ディレクター、総合コーチ、編成部長を歴任。13年のBCリーグ信濃監督を経て14、15年はオリックス2軍監督を務めた。1メートル79、93キロ。右投げ右打ち。

 ▽和歌山南陵高校 和歌山県日高郡日高川町和佐にある私立の高等学校。16年4月開校。全日制の共学校で進学、普通、スポーツの3コースを設ける。前身の国際開洋二(前和歌山国際海洋)は90年に静岡・国際海洋の兄弟校として開校。当初は前衆議院議員の井脇ノブ子氏が理事長および校長を務めた。10年に経営母体の移行を経て、12年から一時休校措置をとっていた。

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