マエケン凄い!ド軍史上初デビューから3戦「6回以上1失点以下」

[ 2016年4月19日 05:30 ]

<ドジャース・ジャイアンツ>7回を4安打1失点で2勝目を挙げた前田(AP)

ナ・リーグ ドジャース3―1ジャイアンツ

(4月17日 ロサンゼルス)
 ドジャース・前田が、広島時代にゴールデングラブ賞を5度受賞した守備力を披露した。

 2―1の7回1死一塁、投手サマージャの一塁方向へのバントが小飛球になると、冷静にショートバウンドで処理して二塁へ送球。「1―6―3」の併殺を完成させた。「バントは簡単にさせない」と胸を張った右腕のフィールディングを、デーブ・ロバーツ監督は「野手のようだった」と評した。

 同地区の宿敵ジャイアンツ相手に初登板。3回にスライダーが浮き、パニックにソロ本塁打を許し、3試合目で初めて失点したが、7回を4安打1失点で2勝目を挙げた。5年総額9000万ドル(約97億2000万円)の大型契約で新加入したサマージャに投げ勝ち、防御率0・47はナ・リーグ2位。本拠地初勝利に「うれしい。ホームで勝つのは大事」と笑った。

 全米中継された試合で修正能力の高さも見せつけた。初回は24球を要し、2四球と制球に苦しんだ。「最初はボールが多かったり(ストライクを)取ってくれない球が自分の中にあったが、粘り強く投げられた」。速球系中心だった組み立てを変え、2回以降はスライダーとカーブ中心に。全98球中、速球系は3度の登板で最少の36球(約37%)、スライダーとカーブが半分近い48球(約49%)を数えた。

 中でもスライダーがさえた。球速に79~85マイル(約127~137キロ)と幅がある宝刀。曲がり方も一球一球異なり「続ける場合は、直前に投げたものとできるだけ同じ球を投げないように、打者のスイングを見て苦手な曲がり方とかカウントを考える」と明かす。毎回の7奪三振。このうち6個がスライダーだった。

 記録専門会社エライアスによると「6回以上1失点以下」をデビューから3試合続けたドジャースの投手は前田だけ。日米通算100勝にも王手をかけた。田中と岩隈が投げ合ったヤンキースタジアムを上回る4万8911人の大観衆の前での快投。「“あと1勝で100勝”と言われると、なかなかできないので、もう言わないでください」。照れ笑いした右腕は、異国での気負いを全く感じさせなかった。(ロサンゼルス・奥田 秀樹通信員)

 ▼ドジャース、デーブ・ロバーツ監督 試合中に修正でき、予想を超える好結果を出し続けてくれている。

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