現役最年長の井口1年目から20年連続弾 左手一本の巧打

[ 2016年4月11日 06:20 ]

<ロ・西>3回裏2死一、二塁から井口はバットの先でうまくすくい上げ右越え3ラン

パ・リーグ ロッテ4-2西武

(4月10日 QVC)
 ロッテ・井口は青学大時代、今も破られていない東都大学リーグ通算24本塁打を放った。プロでも1年目から毎年、本塁打を放ってきた。メジャー時代を含め20年連続の一発は、アーチストの技が詰まっていた。

 1―2の3回2死一、二塁。追い込まれながらバンヘッケンの低めのフォークを左手一本で捉えた。高々と上がった打球は左翼席へ。逆転3ラン。「泳がされていたが、体重は乗っていた。ヘッドを利かせて打つことができた」。一塁を回ると、珍しく右拳を突き上げた。ベースを1周すると、ネット裏で今季初観戦した一人娘の琳王(りお)さん(16)に向け、両手を突き出した。

 今季初のスタメン出場。第1打席ではそのフォークに空振り三振に倒れ、本塁打の直前も同じ球にバットは空を切っていた。「ナックルみたいな感じ。低めはかなり落ちる」と軌道をインプット。確実にミートすることを意識して仕留めた。

 12月に42歳になる現役最年長野手は準備を欠かさない。1月の沖縄自主トレでは早朝からランニングをこなし下半身をつくった。開幕後は打撃練習から「実戦と同じようにやっている」と1球たりとも無駄にはしない。代打では初球からフルスイング。「若い選手が出てきて、自分のポジションは変わっていく。チームのために何をしなくちゃいけないかを考えている」。ここまで代打で4打席だけだったが、常に試合に入り込んでいた。

 同一カード3連敗を阻止する一打。伊東監督は「一振りでひっくり返してくれる勝負強さ。改めて必要な選手だと思った」と最敬礼した。日米通算300本塁打に残り11本としたが「数字(の目標)はない。優勝したい。それだけ」と井口。12日からの首位・楽天3連戦(コボスタ宮城)に向け、足早に球場を後にした。(川島 毅洋)

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2016年4月11日のニュース