虎9回粘り見せた!指揮官ゲキ「このまま終わったら去年と一緒やぞ」

[ 2016年4月11日 05:30 ]

<神・広>7回の攻撃前に円陣で話す金本監督

セ・リーグ 阪神7-8広島

(4月10日 甲子園)
 今年の虎は、最後まであきらめない! 阪神は10日の広島戦(甲子園)に7―8で敗れ、今季初の連敗、同初のカード負け越しを喫した。ただ敗れたとはいえ、金本知憲監督(48)は4点を追う9回に3点を奪い返した「純国産打線」の執念を評価。広島と同率2位に後退も、気持ちを切り替え、12日からDeNA3連戦(甲子園)に臨む。

 7回の攻撃前、円陣で金本監督の放った鋭い言葉が、ナインの胸に突き刺さった。「このまま終わったら、去年と一緒やぞ! 何とかせえ!」。今季最多の4万6414人の大観衆が詰めかけた一戦。このままでは終われない―。指揮官の熱い思いが、猛虎戦士の目の色を変えた。

 「あきらめない姿勢というかね。そういうのは絶対に出してほしいし。(7回の言葉は)このままズルズル終わったら、何も変わっていかないよということを言いましたけどね。7回、1点ほしかったね…」

 1死一、三塁と攻め立てながら、あと一本が出なかった7回は無得点。だが、この日も「9回の虎」が牙をむいた。大観衆の心をつかみ、その体を席から離さない。

 「(江越のヘッドスライディングは)まあ当たり前と言えば、当たり前だし。もちろん褒めてやれることですけどね。そういう執念を出して行くというのが、今までと変わっていこうというところの第一歩だからね」

 土壇場の9回。まずは先頭の江越が平凡な三ゴロを泥臭いヘッドスライディングで内野安打とした。そこから無死満塁とし、西岡の右前打、北條の一ゴロ、代打・狩野の三塁内野安打で3得点。最後は2死一、三塁と一打同点の状況で高山が見逃し三振に倒れたものの、最後まで執念を見せた。今季イニング別得点は、9回が14得点で最多となった。これぞ「超変革」を掲げる金本阪神だ。

 試合前から思わぬハプニングに見舞われた一戦でもあった。ヘイグがこの日朝に風邪による発熱を訴え、欠場。前日9日の試合中に腰を痛めたゴメスも欠場を余儀なくされた。試合前の指揮官が「フレッシュなメンバーだよ」と予告した通り、阪神では3年(319試合)ぶりの「純国産打線」を組まざるをえない状況となった。

 プロ初先発の北條を7番・三塁、今季初先発の今成を5番・一塁に配置し、こちらもともに今季初となる鳥谷2番、江越3番というオーダーで戦いに臨んだ。3回にはその「今季初」4人組が全員安打を放って、一挙4得点。チームが苦境に陥ってもひるまない。それも、金本阪神の強みだ。

 今季初の連敗で初のカード負け越し。広島と同率2位に一歩後退したが…。「まだ初の負け越しよ。6球団で一番遅いんじゃないの? カード負け越しは。そういう風にとらえていかないと」。戦う集団を率いる指揮官は、力強く前を向いた。(惟任 貴信)

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2016年4月11日のニュース