菊池 逆転劇お膳立て 走攻守で大活躍 打率はセ2位に

[ 2016年4月11日 07:50 ]

<神・広>1回無死一塁、菊池は左越えに先制2ランを放つ(投手・藤川)

セ・リーグ 広島8-7阪神

(4月10日 甲子園)
 広島が10日の阪神戦(甲子園)で2試合連続逆転勝利を飾った。立役者は菊池涼介内野手(26)だ。初回に先制の1号2ランを放つと、2点を追う5回には右前打でつなぎ、逆転劇をお膳立て。左前打の6回にも8点目のホームを踏んだ。今季2度目の3安打猛打賞。投げては福井が6回を10安打4失点ながら、打線の援護を受けて今季初勝利だ。チームは2位に浮上した。

 病み上がりを感じさせないハツラツさだった。菊池が3月31日の中日戦(ナゴヤドーム)以来となる、今季2度目の3安打猛打賞。背番号33が自慢の守備だけでなく、バットで藤川KOの先導役を務め、チームの勝利を引き寄せた。鮮やかな先制パンチは初回だ。

 「たまたま。いつも通り次につなぐ意識を持って振り抜いたら、体がクルッと回ってくれた」

 先頭・田中が9球粘って四球を選び、続けざまにアーチを架けた。カウント1―1から藤川が投じた内寄りツーシームをフルイング。放物線を描いた打球は敵地の左翼ポール際へ吸い込まれた。チームを勢いづける今季1号2ランだった。

 先発・福井が4失点した3回には、なおも2死一、三塁のピンチで梅野の一、二塁間へのゴロをダイビング好捕。追加点を阻止すると、2点を追う5回には集中打の一翼を担う。1死一塁に中前打の田中を置き、右前打で一、三塁に好機拡大。大逆転劇を呼んだ。

 「右への意識は常に持っている。キャンプからやってきたことが結果に出て、ボクにもチームにもいい形になっている」

 巧打はまだある。6回には先頭打者で、3番手・高宮の内角低め直球を叩いて左前打。丸の5球目に今季初盗塁となる二盗を決め、ルナの左前適時打で8点目のホームを踏んだ。最終回にドタバタとなった一戦。結果的にこの1点が効いた。

 「取って代わるヤツが出てきたけど、キクだけじゃなく広輔も、レギュラーはスキを見せない」

 打率・313を残した安部が今春オープン戦で台頭。緒方監督は「安部2番」を唱えたが、開幕後の菊池は文句の付けようがなく、構想は封印せざるを得ない状況だ。指揮官は目を細めて言う。

 「安打の方向はほとんどがセンターから右。去年はそういうところが見えなかったけど、あの姿勢があれば大丈夫」

 3安打2打点の活躍で打率は・3728へと上昇。同僚のエルドレッドを抜いてリーグ2位に浮上し、トップのヤクルト・川端(・375)に肉薄する。だが、菊池はきっぱりと言った。

 「率じゃない。状況に応じた打撃をいかにするかが大事。(阪神に)勝ち越せたのは大きいよ」

 犠打や進塁打はもちろん、一発のパンチ力も秘める2番打者。菊池が躍動すれば勝利が近づく。(江尾 卓也)

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2016年4月11日のニュース