阪神・江越「超変革」モード 今季初猛打賞で打率・444

[ 2016年4月11日 08:36 ]

<神・広>3回表1死一、二塁、江越は左前適時打

セ・リーグ 阪神7-8広島

(4月10日 甲子園)
 初めて3番を任された阪神の江越が完全に「超変革」モードに突入している。象徴的なシーンは4点を追う9回の第5打席だ。追い込まれてから永川のフォークを引っかけた打球は平凡な三ゴロでしかなかった。それでも、あきらめない。快足を飛ばし、一塁へヘッドスライディング。セーフの判定をもぎ取ると、泥だらけのユニホーム姿で塁上で小さく吠えた。「勝ちたかったので」と必死の激走。チームの猛反撃の火付け役となった。片岡打撃コーチも「チーム全体の気持ちがのっかっていたね」と称えた。

 見せ場は何度もあった。2点を追う3回の第2打席を高山、鳥谷の連打で1死一、二塁の好機で迎えた。フルカウントから粘った8球目に狙いを定め、135キロフォークをとらえる。打球は左翼線を突き破る適時打。「何とか走者を還す気持ちでした」。続く4回の第2打席には2死一塁から、右前にポトリと落ちる安打でチャンスメイク。

 本塁打は4試合連続で止まったものの、今季初の猛打賞をマーク。出場5試合連続打点を叩きだし、打率は・444まで跳ね上がった。自らも実感する好調ぶりは、計算された体重管理に支えられている。オフ期間に取り組んだ増量で体重は自己最高の86キロに達し「理想の数値です」と自賛する肉体で沖縄入りした。「シーズンが始まると、たぶん3キロぐらい落ちる。そこにベストになるよう見越して増やしてます」と話したキャンプ前。そして現在、体重は82キロ。「(動きは)すごく良い感じですよ」と、まさに計算通り。キャンプ中の不振は“計算外”だったかもしれないが、もう歯車はかみ合った。勝利に飢える背番号25が、充実の時を迎えている。(久林 幸平)

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2016年4月11日のニュース