母校PL新チーム始動の日に 福留V2ラン「最後まで全うして」

[ 2015年8月7日 05:30 ]

<広・神>初回1死二塁、福留が右越えに先制の16号2ランを放つ

セ・リーグ 阪神8-2広島

(8月6日 マツダ)
 母校の後輩たちに勇気を与える一発だった。初回1死二塁。阪神・福留の先制アーチは右翼スタンドへと吸い込まれた。広島の先発はルーキーの薮田。「若いし、慎重に考えるところ。攻めの姿勢でいけたのが良かった」。

 1ボールからの2球目。早いカウントでの甘いシュートを好球必打した。7月11日の巨人戦(東京ドーム)以来の16号2ラン。一気に試合の流れを引き寄せた。

 38歳のベテラン。8月に入っての5試合は計18打数4安打の打率・222で「調子は良くないけどね」と話す。それでもこの日でチーム一番乗りの50打点。カブス時代の09年以来、6年ぶりに節目の数字に到達した。まだまだ元気なところを、奮闘する姿を、ぜひとも見せたい相手がいる。

 盛夏。くしくもこの日、福留の母校であるPL学園が新チームとして始動した。全国屈指の名門校も、現在は部員の募集を停止。存続問題で揺れる中、一般入試で入学した2年生11人だけで練習を行った。フリー打撃では守備に就く選手がおらず、全員で球拾い。福留自身も計3度、甲子園に出場しているが、当時と環境はあまりにも違う。「大変厳しい状況ではあるけど、できることを目いっぱいやってほしい。最後までPLの野球を全うしてほしい」――。熱いメッセージを決勝アーチとともに届けた。

 チームは福留の2ランを呼び水に、2桁10安打で2試合連続の8得点。前日と同じスコアで勝利を収め、真夏の長期ロード最初のカードで2年ぶりに勝ち越した。今季50勝目で首位・巨人には0・5ゲーム差。福留を含めた3~5番で計5打点を挙げ、和田監督も「クリーンアップが打つとこういう展開になる」と喜んだ。

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2015年8月7日のニュース