“360万円男”ヤク・デニング逆転Ｖ弾　連日早出練習で不振脱出

＜ヤ・巨＞６回、ベンチで頭を冷やすヤクルト・デニングはこの直後に巨人先発・菅野から逆転２ランを放つ

セ・リーグ ヤクルト５－３巨人

（8月6日 神宮）
　低いライナーがバックスクリーンに突き刺さった。逆転２ラン。ヤクルトのデニングはお立ち台で「勝利に貢献できてうれしい」と胸を張った。

　打線は初回、２回に得点を挙げたが、巨人・菅野を完全に攻略できず、１点を追う６回１死一塁で打席に立った。左のプルヒッターで右翼寄りの極端な守備シフトを敷かれ、最初は「レフトに打ってやろう」と力が入った。それでも追い込まれて「強い球を打とう」と冷静さを取り戻し２ボール２ストライクからの５球目、１４６キロ直球を仕留めた。先頭の８回はシフトの裏をかいてバント安打を狙うもファウル。それでも追加点の足掛かりの中前打を放った。

　チームは３連戦３連敗を免れ、首位巨人と１ゲーム差に戻した。デニングは過去４試合は１０打数無安打で、試合前の時点で巨人戦は１７打数２安打、打率・１１８。それでも連日、早出練習をこなす助っ人を使い続けた真中監督は「一発で流れを引き寄せてくれた」と評した。

　「優勝を争うチームでプレーできて幸せ」とデニング。ルートインＢＣリーグ新潟から５月に緊急加入した年俸３６０万円（プラス出来高）の「格安砲」が、真夏の神宮でファンを魅了した。　（山田　忠範）