75歳王さん ノーバウンド投球「恥をかかなくて良かった」

[ 2015年8月7日 05:30 ]

北海―鹿児島実の開幕戦を前に始球式を行うソフトバンク・王球団会長

第97回全国高校野球選手権大会開会式

(8月6日 甲子園)
 王氏にとって58年センバツ以来、実に57年ぶりの甲子園のマウンドだった。外角低めを狙った投球がノーバウンドのストライク投球で捕手のミットに収まるとスタンドが沸き上がった。

 「50何年前にあそこに立って、きょうみたいな暑さを感じながら投げていたんだろうなと。(現役の高校球児は)一言で言うなら、うらやましい。内心ドキドキしたけど、恥をかかなくて良かったというのが本音」

 2年時の57年夏に寝屋川(大阪)との2回戦で延長11回を投げてノーヒットノーランを達成した王氏。早朝から風呂に入って体を清め、5、6球のウオーミングアップ。早実時代に制球力をつけるため、グラブを腹の前に置いたノーワインドアップ投法は75歳になっても健在だった。

 プロ野球経験者が春を含めた甲子園大会で始球式を務めるのは史上初。王氏の一投でプロとアマのまた新たな一歩が踏み出され「甲子園だけは特別。野球の原点。勝った負けたではなく、純粋に野球を楽しんで、人生の思い出を築き上げる場所。150、200回と、皆さんにつないでいってほしいという気持ちが強くなった」と話した。

 ▼早実・加藤主将 さすが王さんです。ストライクを投げられていた。正直、自分が受けたかったなと思った。王さんの姿を見て、あらためて早実の伝統を感じましたし、高校野球100年の節目の年に、この地に来られて良かったと思います。

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