上田西2年草海 “勝ったら吉本新喜劇”伝令の言葉でピンチ脱した

[ 2015年8月7日 05:30 ]

<上田西・宮崎日大>今大会完封一番乗りを飾り、ガッツポーズの上田西・草海

第97回全国高校野球選手権第1日・1回戦 上田西3―0宮崎日大

(8月6日 甲子園)
 3―0の7回1死二、三塁。伝令役の野村がマウンドに走る。上田西の2年生エース草海は笑みを浮かべた。得意のスライダーで二飛、空振り三振。「ここを抑えたら勝てると思ったので気持ちでいった」とピンチを脱し、99球で自身初の無四球完封勝利につなげた。

 「勝ったら吉本新喜劇に行けるぞ」。前夜のミーティングで原公彦監督がナインを和ませた。右腕は「“勝ったら吉本新喜劇”というのが、チームの合言葉だった。野村さんに言われて、みんな笑顔になった」と伝令のシーンを振り返った。

 野球を始めた小3から投手だったが、高校入学後は打撃を生かして内野手に転向。昨夏は三塁を守った。矢のような送球を見た指揮官から、昨秋の新チーム始動時に投手再転向を勧められた。「狙っていた」という初回の第1球で自己最速を2キロ更新する143キロをマーク。「今でも打撃の方が好き」と笑うが、バットでも2安打。投打で甲子園初勝利に貢献した。

 アルプス席では家族が観戦し、母・幸江さんは涙を流して息子の快投を喜んだ。1メートル68の小柄な草海が完封一番乗り。お立ち台では「野球に体は関係ない」と胸を張った。 (川島 毅洋)

 ≪11年ぶり≫上田西は2年生の草海が無四死球で6安打完封。2年生投手の無四死球完封は、昨年の大阪桐蔭・田中が八頭戦でマークして以来。また球数は99球。2年生が100球未満で完封勝利は、04年に修徳・斉藤が鹿児島実を97球で完封して以来11年ぶり。

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2015年8月7日のニュース