阪神・岩本　真夏の救世主や！２勝　再昇格後５戦連続０封

[ 2015年8月7日 05:30 ]

セ・リーグ阪神８－２広島

（8月6日マツダ）
　勝ち星はもちろん嬉しい。それでも自分の役割を理解した上で、普段のポーカーフェースを崩すことなく岩本は淡々とプロ２勝目をかみしめた。

　「後のことは考えず、１人１人、思い切って行って、いいボールが行きました」

　出番は想定よりも早くやってきた。４回、先発の岩貞が２死満塁のピンチを招いたところで、マウンドに上がった。ロサリオに対しカウント３ボール１ストライクからの直球は外角高めに外れ、押し出し四球。リードが２点に縮まり、雰囲気が変わり始める中で心を静めた。続く新井に対し２―２から最後は外角スライダーで空を斬らせ反撃の芽を摘んだ。

　「（ロサリオには）長打を嫌がった結果、四球を出してしまった。ただ（試合には）勝っているんだと自分に言い聞かせて投げました。本当は新井さんの前で打ち取るつもりだったので、悔しい思いもありますけど」

　試合の流れを左右する局面を最少失点で切り抜けると、そこから、さらにギアを上げた。５、６回を各３人ずつで仕留める完璧な内容で「勝利の方程式」へとつないだ。

　２回１／３を投げ無安打無失点で、先発した４月１日ヤクルト戦以来となる今季２勝目をマーク。救援ではプロ初勝利に「嬉しいですが、明日も中継ぎは（出番が）あるので、きょうだけじゃなく毎日、準備したい」と慢心はない。

　和田監督からは「きょうは岩本」と称賛され「（５回からの）２イニングもよく抑えてくれた。コントロールはもともと良いし、強い気持ちを持っている」と高評価を受けた。再昇格後は、これで５試計７回２／３無失点で、許した安打もわずかに１本と相手を圧倒している。

　勝負の８月を戦い抜く上で、この日のように先発が早い回に崩れることも予想される。伸び盛りの２２歳。夏の暑さに負けないくらい、岩本が熱い投球を披露していく。（久林　幸平）