松坂ショック…恩師・渡辺監督勇退に「言葉が出てこなかった」

[ 2015年5月15日 08:05 ]

渡辺監督の勇退について記者の質問に答える松坂

横浜・渡辺監督、今夏限りで退任

 礎を築いてくれた恩師、渡辺監督の勇退。右肩筋疲労でリハビリ中のソフトバンク・松坂は、西戸崎合宿所で渡辺監督から退任の報告を受けていたことを明かし「体調を崩されていることは聞いていました。監督さんから聞いた時はあまりにショックが大きくて言葉が出てこなかった」と静かに話した。

 「目標がその日その日を支配する」。恩師の座右の銘は2年夏に神奈川大会準決勝で敗れてからずっと心に刻む。3年時に甲子園で春夏連覇したが、センバツ優勝後にこう言われた。「頂上にいるが次の山に登るには頂上からは行けない。一度山を下りて、また下から登らないと頂上へは行けない」。その言葉は好調時には自らを戒め、苦境時には支えとしてきた。

 レッドソックスの世界一を懸けた07年のポストシーズン。2戦連続でKOされた後、立ち直って世界一に貢献した裏には「一念、岩をも通す」と書かれた恩師の手紙があった。9年ぶりの日本球界復帰に悩み抜いた際、電話をかけて相談した。「思い出はパッとは言えない」。それだけ重く濃い時間を過ごしてきた。

 「まだ終わっていないので、“お疲れさま”とはまだ言わない。最後、監督さんのために何が何でも甲子園に行くというつもりで選手がやってくれると思う。甲子園で、できれば最高の形で終われればいい」。松坂にとっても復活への戦いに、大きな意味が加わった。

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