イチ、確信のバント安打!三塁手位置見て「フェアならセーフ」

[ 2015年5月15日 05:30 ]

<ドジャース・マーリンズ>7回、代打で出場しバント安打を決めるイチロー

ナ・リーグ マーリンズ5―4ドジャース

(5月13日 ロサンゼルス)
 マーリンズのイチロー外野手(41)が13日(日本時間14日)、ドジャース戦でチームを逆転劇に導く絶妙なバント安打を決めた。2点を追う7回無死一塁で代打で登場すると、三塁線に転がし、楽々セーフ。後続の3連打でこの回3点を挙げて逆転し、連敗を3で止めた。これでメジャー通算2869安打となり、伝説の本塁打王ベーブ・ルースの記録(歴代42位)にあと4と迫った。

 代打で登場したイチローは、ド軍の三塁手ターナーが定位置に守っているのを確認した。2―4の7回無死一塁、初対戦の左腕リバレトーレに対し、カウント2ボール1ストライク。3球とも三塁手は動かない。確信した。あとはフェアゾーンに転がすだけだった。

 4球目。92マイル(約148キロ)の速球を三塁線に絶妙に転がす。捕手がつかんで送球したが、イチローは悠々と一塁を駆け抜けた。「あの位置に(三塁手が)いてくれたら、どんなにうまいやつでも別に大したことはない。僕にとってはね」。感触を聞かれると「フェアならセーフです」と涼しい顔で言った。

 正左翼手のイエリチが復帰し、ベンチスタートに戻ったイチロー。安打は6試合10打席ぶりだが、途中出場でも試合展開や状況を的確に頭に入れ、1球で決めるのはさすが。ドジャースタジアムの三塁線はボールが切れないことでも有名。「進めるつもりでバントしてないもん。1アウト二塁にしようとは思っていない」。今季8本目の内野安打はリーグ2位の多さと俊足も健在だ。

 これで無死一、二塁とすると、1番・ゴードンの右前打で満塁。さらにプラード、スタントンに連続適時打が飛び出し、怒とうの5連打で一気に試合をひっくり返した。

 チームは2試合連続の逆転サヨナラ負けに続き、前日は1―11の大敗。試合前の空気は重かっただけに、イチローも「あの負け方はそうでしょ」と笑い、ロード10連戦の最後を締めた逆転勝ちに「みんなが感じていることと同じだと思いますよ」と、安どの表情で西海岸を離れた。

 ≪通算80本≫イチローのバント安打はこれでメジャー通算80本目。犠打(41)と、ファウルになった場合を除けば、セーフティーバントを試みたことは130度あり、成功率・608。相手守備の失策で出塁したケースは過去4度。今季バント安打は2本目で、15年連続でバント安打をマークしている。

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