黒田復帰戦 広島の3分の2が見た!瞬間最高視聴率は39・7%

[ 2015年3月31日 05:30 ]

29日、復帰戦を白星で飾りファンの声援に応える黒田

 男気右腕が広島を占拠した。広島・黒田博樹投手(40)の復帰戦となった29日のヤクルト戦(マツダ)を中継した広島テレビの平均視聴率が31・8%(ビデオリサーチ調べ、広島地区)を記録したことが30日、分かった。瞬間最高視聴率は試合のクライマックスとなった午後4時44分の39・7%。占拠率は平均で実に62・3%を記録するなど、数字によって改めて黒田フィーバーが証明された。

 感動と興奮の後には、驚異的な数字が残った。視聴率は好天に恵まれた休日の昼間という“悪条件下”にも関わらず、前半(午後1時25分~)27・8%、後半(午後3時~)34・9%で平均31・8%を記録した。

 広島地区のデーゲーム中継では、ビデオリサーチ社の調査方法が変更された1996年10月以降では最高値。デーゲームの平均視聴率30%超えはマツダスタジアム開場初年度の09年4月12日中日戦(広島ホームテレビ中継)の30・0%以来となった。中継局の広島テレビ編成担当者も「近年では見たことのない数字。ビックリしました」と驚きを隠せなかった。

 通常では考えられない数字が並ぶ。占拠率は平均62・3%を記録。試合時間帯にテレビを見ていた人の、およそ3分の2が黒田の勇姿を見守っていた計算となる。昨年12月31日に放送された「第65回NHK紅白歌合戦」の広島地区視聴率が第1部32・8%、第2部37・0%。放送時間帯、番組の性質が異なるため単純比較はできないが、黒田の凱旋登板は国民的番組なみの関心事であったことは間違いない。

 黒田本人は着実に次回登板に向けての調整を進めた。この日からのチームの横浜遠征には帯同せず、マツダスタジアム内の練習場でトレーニング。「まだまだ先は長い。シーズンは始まったばかりだし、気を引き締め直して準備をしないといけない」と話した。視聴率については「テレビ局関係者じゃないので…」と苦笑い。それでも愛するチームにスポットライトが当たることは歓迎だ。

 「当然、注目してもらえるのはうれしいです」

 カープファンのみならず、全国の野球ファンに投球を通じて、野球の魅力を発信していく。

 広島テレビでは今季、24年ぶり優勝を目指すカープを例年以上に全面バックアップし、広島地区では最多となる24試合を中継予定。13年ぶりの本拠地開幕戦となった27日ヤクルト戦も中継し、平均視聴率35・1%を獲得した。球団、ファン、メディア。広島が一体となって悲願へと突き進む。 

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2015年3月31日のニュース