敦賀気比　超クロスファイア対策！打撃投手70センチ一塁側へ

次の大阪桐蔭との試合に向けて打撃練習する敦賀気比ナイン

　第８７回選抜高校野球大会は、３１日に準決勝２試合が行われる。３０日は準々決勝を勝ち上がった４校が兵庫県西宮市などで調整。敦賀気比（福井）は準決勝の相手となる大阪桐蔭の田中誠也投手（３年）のクロスファイア対策として、打撃投手をマウンドよりも一塁側から投げさせ、角度を付けた中で打ち込んだ。昨夏準決勝で敗れた大阪桐蔭に雪辱を果たし、北陸勢初の甲子園制覇を狙う。

【日程＆結果 組み合わせ】

　シートノックを終えると、敦賀気比の東哲平監督は選手を集め、身ぶり手ぶりを交えてアドバイス。「まあ、頑張らせます」と多くを語らなかったが、直後のフリー打撃を見れば狙いは明確だった。

　大阪桐蔭の左腕エース・田中攻略の鍵は「クロスファイア」を捉えること。田中はプレートの一塁側を踏み、右打者への内角に角度を付けて投げ込んでくる。その球筋に慣れるため、打撃投手はもちろん左。さらにプレートよりも約７０センチも一塁寄りから投げさせる徹底ぶりだった。「超クロスファイア」の軌道にも戸惑うことなく、ナインは約２時間の全体練習の中で１時間以上をフリー打撃に割いた。

　左打者の篠原主将は「右肩が開かないように意識する。自分は左投手の方が得意」と背中から入ってくる球に対し、センター返しを繰り返した。右打ちの嘉門も「制球力がいいので、甘い球は１球しか来ない。それを打ち返したい」と話した。

　夏を含めて過去３度の準決勝は１９９５年夏の帝京（東京）、２０１３年春の浦和学院、そして昨夏は大阪桐蔭と、大会優勝校に屈した。北陸勢初優勝へ、準決勝は最大の関門。東監督は「全国で一番強いチームと夏も春もできるのは幸せ。どういう展開でもいいので最後に勝てたら、もっと幸せ」と力を込めた。

　▼大阪桐蔭・田中　いつも通り、打たせて取りたい。気合が入っている相手の打撃をかわしたい。