ロッテ投手陣に“大谷エグ令”落合C厳命「いい打者ほど厳しく」

[ 2015年3月31日 05:30 ]

大谷への内角攻めを厳命した落合コーチ

 ロッテは、31日からQVCマリンで行われる本拠地開幕3連戦で日本ハムと対戦。落合英二投手コーチ(45)は30日、「5番・DH」で今季初めて野手として出場する大谷翔平投手(20)を抑えるため、1戦目に先発する石川歩投手(26)らに厳しい内角攻めを厳命した。二刀流・大谷の過去2年間の死球は1個。それでも、落合コーチは死球を与えることも辞さない攻撃的な投球を求め、5番打者の打棒を封じ込む。

 打席に立つ以上、投手ではない。打者だ。今季野手として初めて出場する二刀流・大谷との対戦を前に、今季から就任した落合投手コーチには一切の遠慮はなかった。

 「大谷君は球界の宝だけど、いい打者ほど厳しく攻めないと抑えられない。死球がダメ、内角攻めがダメ、というルールはないからね」。さらに、こう続けた。「踏み込まれたら終わり。内角を攻めてくると思わせないと。遠慮したからといって、大谷君からお歳暮が贈られてくるわけではないからね」。大谷は1戦目と2戦目に「5番・DH」でスタメン出場する予定。落合コーチは、この2試合に先発する石川と藤岡を中心に厳しい内角攻めを厳命したのだ。

 大谷の過去2年間の死球は2年前に楽天・田中(現ヤンキース)から受けた1個だけ。昨季はなかった。左打者の大谷は利き腕の右腕を投手側に向けて打席に立つ。右肘にエルボーガードを着けているとはいえ、死球を受ければ「投手・大谷」に影響を与えてしまう。そのため、投手は内角を厳しく攻められない傾向がみられる。しかし、昨季10本塁打を放ち、主軸を任される強打者を、内角を攻めずに打ち取れるほど甘くはない。落合コーチは語気を強めた。

 「プロは1球にお金が懸かっている世界。大谷君の生活ではなく、自分の生活を守る投球をしてほしい」

 1戦目に先発する石川は昨季13打数3安打(打率・231)、2戦目の藤岡も6打数1安打(同・167)と抑えている。その一方で、2投手とも1発ずつ浴びており、石川は「(大谷との対戦は)気にはなっていたんですよね。いい打者だし、足もある。チャンスで回さないようにしたい」と警戒した。

 昨季チームで唯一の2桁勝利(10)を挙げ新人王に輝いた右腕が先陣を切り、4年目左腕の藤岡が続く。5番の大谷を内角攻めで抑え込めば、日本ハム打線を分断できる。開幕カードでソフトバンクに2勝1敗で勝ち越した。いい流れを切らないためにも、「球界の宝」に気分よく打席に立たせるつもりはない。

 ▼打者・大谷のプロ初死球 13年7月9日楽天戦(東京ドーム)に「7番・右翼」で先発出場したルーキー大谷は、相手エース・田中と2度目の対戦。3回の第1打席で初球、2球目と内角を攻められ、続く3球目も懐に食い込む144キロのカットボール。これが左膝を直撃した。プロの先輩から厳しい攻めを受けた大谷はこの年、田中に11打数無安打6三振と完璧に封じられた。

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