栗山監督“5年越し恋人”獲得に「最高」 津田社長が大仕事

[ 2014年10月24日 05:30 ]

早大・有原の交渉権を獲得し笑顔を見せる日ハム・栗山監督(左)と津田社長

2014ドラフト会議

 くじ引きの「代打」を任せた津田敏一球団社長が「交渉権確定」のくじを引き当てると、テーブルで運命の瞬間を見守っていた日本ハム・栗山監督も思わずガッツポーズを見せた。昨年は3度の抽選をすべて外した指揮官は「いやー、抽選から外されて最高!」と声を弾ませた。

 ドラフト最大の目玉だった有原獲得のためにできることはすべて手を尽くした。定番のネクタイ、メガネに加え、パンツもすべて早稲田カラーのエンジ色。「これも縁。試合ではないので、自分がやれることはすべてやった。本当に何年かに一人といった投手。本当に欲しかった」。この日朝には東京都渋谷区にある東郷神社を訪れ、購入したお守りも右胸のポケットに忍ばせた。

 5年越しの恋人だった。まだ、日本ハムの監督に就任する前のことだった。スポーツキャスターとして10年夏の甲子園を取材していた栗山監督は、広陵の超高校級右腕にひと目ぼれした。長身から150キロ近い剛速球を投げ込む姿に「高校の時点でドラフト1位なんだろう」と感じた。

 試合は歳内(現阪神)擁する聖光学院を相手に0―1で初戦敗退。7回2死二、三塁のピンチで乾いて硬くなった地面を考え、ゴロを打たせるのでなく、三振を狙った有原だが、結果は直球が暴投となり、決勝点に。仲間のために全力を尽くした姿が印象に残った。
 
 スポニチ本紙で連載したコラム「熱中甲子園」(10年8月13日付)の原稿の最後には「何年後かに“あの1球が僕を大きくしてくれた”と言える日が必ずやって来る」と記した。その雪辱の舞台を自らの手で用意できる。「今すぐローテーションに入れる。(大谷、浦野、上沢ら)若い投手が出てきているが、競争が激化して他の投手の刺激になる」と目を細めた。

 栗山監督は「6、7球団が入札する」と思っていたというが、予想外の4球団。07年高校生ドラフトの中田、10年ドラフトの斎藤も4球団競合の末に獲得した。大学No・1右腕が指揮官の下へ導かれたのは、運命としか思えなかった。 

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